再送:米企業のコスト削減、「節約のパラドックス」で不況脱出の足かせ
[シカゴ/ニューヨーク 5日 ロイター] 投資家やエコノミストの間ではここ数週間、米国企業の予想を上回る業績など一見すると明るい兆しが相次いでいることを背景に、景気後退(リセッション)はほぼ終息したとの声が聞かれる。ただ、それは先走りである可能性がある。
従業員解雇や設備投資抑制を通じた積極的なコスト削減は、確かに多くの企業がアナリスト予想を上回る利益を計上する要因になった。
しかし、景気回復に向けた「芽吹き」とも受け取られている動きの底には、より深刻で長いリセッションにつながる「種」が隠れていると専門家は指摘する。
モルガン・スタンレーのクレジット戦略責任者、グレッグ・ピーターズ氏は「明白かつ目の前にある危機は経済の負のフィードバック・ループだ。従業員が解雇され、設備投資が抑えられているなら、はるかに長く続くカスケード効果を経済にもたらす」と述べた。
人員削減や設備投資と研究開発費の削減は一時的に企業収益をてこ入れすることになるが、長い目で見れば暗いニュースでもある。失業者の数が増え、賃金が減り、個人消費や企業の支出に一段とブレーキがかかることで、景気はさらに冷え込むからだ。そして、それは製品やサービスに対する需要減退という形で、企業にも当然跳ね返ってくる。
クリントン政権で労働長官を務めたカリフォルニア大バークレー校のロバート・ライシュ教授は「企業の人件費削減とレバレッジ解消は完ぺきに合理的な行動だ」と指摘。その上で「しかし、すべての企業が同じ行動を取ったらどうなるか。さらに多くの失業者が生まれ、より深い景気の穴に落ち込むことになるだろう。企業が作り出す商品やサービスを買う人は残るだろうか」と語った。
<勢い増す企業の人員削減>
最近発表された米企業の四半期決算では、積極的なコスト削減が売上高減少を相殺し、予想以上の利益を計上する企業が多くみられた。 続く...


