次第に強まる円の先安見通し、実現でも長期化には懐疑の声
基太村 真司記者
[東京 11日 ロイター] 外為市場関係者の間で、円の先安見通しが少しずつ強まってきた。クロス円と呼ばれる対ドル以外の円相場がテクニカル上のふし目を相次いで上抜けたこと、急激な変動を続けてきた相場が落ち着きを見せ始め、金利差狙いの円売り/高金利通貨買いが機能しやすくなっていることなどが背景だ。
ただ、円売り地合い継続の前提条件は株価の持続的な上昇。世界的な株価上昇に懐疑的な声が根強く残る中、11日夕方の取引では欧州株安をきっかけにクロス円が利益確定の売りに押されるなど、マインドはぜい弱なままだ。円安が大幅かつ長期にわたるとの見方はまだ少ない。
<クロス円に買いシグナル点灯>
4月米雇用統計を終えて目先の主要イベントが終了した11日、外為市場では株高期待を背景に早朝から円がほぼ全面安となり、ユーロ/円が134円後半と1カ月ぶり高値を更新。豪ドル/円も76円前半と7カ月ぶり、NZドル/円も60円前半と1カ月ぶり高値を更新した。
イベント終了後も世界の株高地合いが変わらず、投資家のリスク回避姿勢が緩和すれば、円やドルなどの低金利通貨から高金利通貨への資本移動が活発になる可能性があるとの見方から、短期筋中心に円の売り仕掛けが先行したという。
短期筋が強気に転じたひとつの理由は、クロス円に点灯したテクニカル上の買いシグナル。4月末の豪ドル/円や南アフリカランド/円、5月2週目のNZドル/円やスイスフラン/円、カナダドル/円などに続き、前週末の取引でユーロ/円が200日移動平均線を上抜けた。他のテクニカル指標も買いを示し始めており、ユーロは「目先的には4月高値の137.42円や、52週移動平均線のある140円台へ上振れる展開を視野に入れる必要が出てきた」(都銀のテクニカルアナリスト)という。
東京の外為関係者の間では、NYダウ平均や日経平均などの主要株価指標が年初来高値圏へ上昇する中、投資家のリスク選好度合いが強まる際に買われやすいとされるブラジルレアル、南アフリカランドなどの高金利通貨が対ドルで7カ月ぶり高値圏まで上昇しているにもかかわらず、同様にリスク姿勢が緩和する際に売られやすいとされていた円の出遅れが目立つとして、円売りの余地を指摘する声も出ている。 続く...


