日銀は下振れリスク重視の姿勢、最終需要に不透明感
[東京 22日 ロイター] 日銀は景気判断を「当面、悪化を続ける可能性が高い」から「悪化のテンポは徐々に和らぎ、次第に下げ止まっていく可能性が高い」に上方修正したが、白川方明総裁は慎重姿勢を崩さなかった。
総裁は「不確実性が高いので、下振れのリスクに注意しながら状況をみていく必要がある」とした。
日銀は、生産・輸出の下げ止まりは在庫調整が進展した結果に過ぎず、その後の姿を決める「最終需要」がどうなるかまだ不透明なことから、先行きについて自信を深めているわけではないようだ。
国際的な金融経済情勢や中長期的な成長期待の動向、日本の金融環境など景気の下振れリスクは、依然として無視できない存在として居座っている。
とりわけ、金融と実体経済の負のスパイラルに陥りつつある米欧経済の先行きは、不透明なままだ。21日の米国市場では、スタンダード&プアーズ(S&P)が英国債の格付け見通しを引き下げたことをきっかけに、くすぶり続けていた米国の財政赤字に対する懸念が表面化。NY市場では、ドル安・株安・債券安というドル資産のトリプル安となった。
こうした金融市場の動きは日本に飛び火する可能性もあり、日銀も警戒を強めている。白川総裁は「当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、日本経済が物価安定のもとでの持続的成長経路へ復帰していくため、中央銀行として最大限の貢献を行っていく」と、下振れリスクを念頭に置いた政策運営方針をあらためて示した。
金融市場が不安定化すれば、長期国債の買い入れ増額が再び議題に上る可能性も否定できない。
不確実性が高い状況を受け、白川総裁は慎重な言い回しに終始。景気判断を引き上げたにもかかわらず、このまま回復基調を順調にたどると楽観的にみているとは感じられなかった。 続く...


