焦点:高まる中国経済への期待、本格成長には不透明感

2009年 06月 12日 17:27 JST
 

 [東京 12日 ロイター] 日本から中国への輸出が回復基調を鮮明にしている。米欧の景気回復のテンポがゆっくりなまま力強さに欠ける中、中国経済の回復に対する期待感が、日本の産業界でも高まっている。

 ただ、対米輸出比率の高い中国経済が本格的な成長軌道へ戻るのか懐疑的な声もエコノミストの中にはあり、ここでも先行きへの不透明感が晴れない。とは言え、足元で最もおう盛な需要を示す中国への輸出増加で局面転換を図る国内企業が少なくない。 

 <中国の内需振興策、日本企業の受注増に>

 「中国を中心に公共投資関連の入札が前年に比べ3─4割程度増加している」──。電車用駆動装置などを手がける東洋電機製造(6505.T: 株価, ニュース, レポート)の広報担当者はこう話す。中国政府は2004年に中長期鉄道網計画を発表し、全国で総延長1万6000キロの高速鉄道網を建設する方針が盛り込まれた。日本の新幹線の総延長(2200キロ弱)の約7倍に上る膨大な規模だ。中国政府は鉄道、道路など重要インフラの建設に、内需拡大策の約4割の1.5兆元相当を投入する方針で、この結果、鉄道網計画を実行に移す動きが加速しているという。

 中国政府が打ち出した4兆元規模の投資を含む内需拡大策の効果で、中国経済が持ち直している。伊藤忠商事・主任研究員の武田淳氏は中国経済について「公共事業的なインフラ投資と個人消費刺激策の効果が徐々に波及してきているという感じだ。それに向けた原材料の需要も回復してきた」(伊藤忠商事・主任研究員の武田淳氏)と政策効果を指摘する。

 中国国家統計局が11日に発表した1─5月の都市部固定資産投資は、前年同期比で32.9%増となり、1─4月の同30.5%増から増加幅が拡大。2008年通年では20.9%増となっており、景気刺激策の効果が月を追って高まっている様子がうかがえる。このほか12日に発表された5月鉱工業生産や小売売上高も伸びが加速している。

 中国の需要拡大と歩調を合わせるように、日本の貿易統計の数字にも変化が表れている。財務省が発表した4月貿易統計では、中国向け輸出は前年比25.9%減と、過去最大の減少を記録した1月(同45.2%減)から大きく改善。品目別では、プラスチックや化学品、集積回路(IC)など素材関連の増加が目立つ。これに対し、米国向けやEU向けは今年に入り5割程度の減少が続いている。財務省の貿易指数(2005年=100・金額ベース)を見ると、対中輸出は1月の69.4から4月は110.5と6割近く上昇している。

 <中国の対米輸出に左右される日本企業>  続く...

 
 
 
 
 
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