米雇用統計の悪化で萎む景気回復相場、実体経済や企業業績に神経質

2009年 07月 3日 11:10 JST
 

 [東京 3日 ロイター] 6月の米雇用統計が予想を上回る悪化となり市場の景気底入れ観測が後退。3日の東京市場では、株安、債券高、円高に振れた。

 期待先行で形成されてきた相場に変化が出るのかどうかに関心が集まっており、経済指標や企業業績に振らされる展開が続きそうだ。

 株式市場では短期筋が売りに回り、日経平均が続落、一時9700円台を割り込んだ。

 三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏は「今週前半あたりに再び楽観に変わる雰囲気があったが、今回の米雇用統計でまだ悲観相場が続いているという認識が広まった」とし、米国が期待した「グリーンシュート(新芽)」は花が咲く芽ではなく、雑草の芽に過ぎなかったようだ、と話した。

 この日の相場では、下値では年金などの機関投資家から買いがみられ、下値めどの9500円を一気に割り込む動きはみられないが、実体経済や企業業績に一段と神経質になっている。

 明和証券シニアマーケットアナリストの矢野正義氏は「来週から徐々に始まる米企業の4─6月期決算発表でマーケットの雰囲気を変えるような強気な見通しが出てくるかが注目」という。

 債券市場では、長期金利の指標となる10年最長期国債利回りが前日比2ベーシスポイント低い1.335%と、4月1日以来約3カ月ぶりの低水準を付けた。財政悪化で需給が警戒されていた市場だが、「雇用悪化は米景気のV字回復論に決定的な打撃だ。10年米国債利回りは節目の3.5%前後で下げ渋っているが、遠からず3.0%を目指す動きに変わっていきそう。日本の10年債利回りについては引き続き1.0%前後への低下もあり得る」(みずほ証券チーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏)と、強気論が息を吹き返している。

 為替市場でも株安を受けてクロス円中心に円が買い戻された。ユーロ/円は133.58円まで売られた。豪ドル/円は75円後半、英ポンド/円は156円後半でそれぞれ軟調な値動き。 市場では「ドルは95.50円を割り込むと下値余地が広がりそうだ。ただ、きょうの東京市場ではドル/円単体というよりクロス円の動きが中心で、米国株安を受けた新興国の株価動向を見極めたい」(国内銀行)との声が出た。

 JPモルガン・チェース銀行、債券為替調査部長の佐々木融氏は「景気回復を期待するリカバリー・トレードに対するこのところの巻き戻し地合いがより鮮明になる」といい、ユーロ/円は130円割れを目指す方向で推移する、とみている。

 
 
 
 
 
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