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コラム:荒れる原油相場、エネルギー業界で「弱肉強食」加速
2016年2月23日 / 04:21 / 2年前

コラム:荒れる原油相場、エネルギー業界で「弱肉強食」加速

 2月22日、より体力の弱いエネルギー生産企業の資金繰りが行き詰まって、最終的には待望久しい再編の動きが出てくるかもしれない。ロシアの油田で昨年1月撮影(2016年 ロイター/Sergei Karpukhin)

[ヒューストン 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] - エネルギー業界の幹部や産油国、石油消費国の政府関係者などが一堂に会するIHSのCERAウィーク年次会合が今週、ヒューストンで開かれる。主な話題として、生産企業のバランスシート状況や、サウジアラビアとロシアなど有力産油4カ国が合意した増産凍結の行方が取り上げられるだろう。

最終的にはより体力の弱い生産企業の資金繰りが行き詰まって、待望久しい再編の動きが出てくるかもしれない。

昨年4月の前回会合時点では、原油価格は1バレル=60ドル近辺で、ロイヤル・ダッチ・シェル(RDSa.L)が英BGグループを700億ドルで買収する計画を発表したばかりだった。ただその後、原油価格の上昇は一過性にすぎないことが判明し、シェルに続いて期待されたディールは姿を見せていない。それどころか原油価格が2014年半ばの水準から70%程度も下落して40ドルを割り込むと、生産企業は自重を選び、トムソン・ロイターのデータによると、昨年の石油・ガスセクターの企業合併・買収(M&A)は世界的に11%減少した。M&A全体では過去最高額を記録したにもかかわらずだ。S&Pエネルギーセクターの平均株価は、14年半ば以降で40%を超える下落率となった。

今回の会合で予定される討論会には「混乱状況に置かれているエネルギー市場」「嵐を乗り切る」などの題名がついており、今年の市場の行く末に暗雲がたれこめている状況を反映している。

会合参加者は、石油輸出国機構(OPEC)のバドリ事務局長やサウジのヌアイミ石油鉱物資源相が、増産凍結合意を受けて今後の減産に言及するかどうかに聞き耳を立てるだろう。

新たな重大発表がないとすれば、体力が弱い生産企業にとっては「エネルギーの将来の資金を賄う」という議題の討論会がより差し迫った重要性を持つかもしれない。デロイトによる最近の調査では、石油開発・生産セクターの上場企業およそ175社の債務総額は1500億ドルに上り、現在の原油価格では財務が圧迫を受けるリスクが高い。これらの企業は、銀行が石油・ガスセクター向け融資の担保としている埋蔵量の評価額見直しを進めるとともに、この春には新たな資金調達ができなくなる恐れがある。

原油価格は22日に一時7%も急伸した。国際エネルギー機関(IEA)が、米国の原油生産減少で来年に市場が均衡を取り戻し始めるとの見通しを発表したことがきっかけだった。

経営基盤の弱い企業はそんな先まで持ちこたえられないかもしれない。ただ、エクソンモービル(XOM.N)などの最大手クラスは相当な力を残しているし、より規模が小さいながらもバランスシートがしっかりしているヘス(HES.N)やパイオニア・ナチュラル・リソーシズ(PXD.N)、デボン・エナジー(DVN.N)といった掘削業者は最近、エクイティ市場を利用して原油価格の長期低落に備える動きを示した。

多くの企業の昨年のキャッシュフローを守ってくれたヘッジが期落ちを迎えつつある中で、比較的耐久力のある企業はまもなく資金繰りがひっ迫している同業者を買収するか、少なくともその一部の資産を取得したくなってくるだろう。

●背景となるニュース

*IHSのCERAウィーク年次会合が22日から26日まで、ヒューストンで開催される。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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