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アングル:中国の次期5カ年計画、7%成長目標なら構造改革後退か
2015年6月4日 / 00:26 / 2年前

アングル:中国の次期5カ年計画、7%成長目標なら構造改革後退か

 6月4日、中国共産党指導部は今年秋に2016─20年までの第13次5カ年計画について議論する、と複数の関係筋は予想している。写真は習近平国家主席、5月代表撮影(2015年 ロイター/Saul Loeb)

[北京 4日 ロイター] - 中国共産党指導部は今年秋に2016─20年までの第13次5カ年計画について議論する、と複数の関係筋は予想している。

以前に掲げた2010年から20年までに国内総生産(GDP)と1人当たりGDPをともに倍増させるという野心的な目標を達成するために、この5カ年計画では年間の成長率目標を7%前後に設定する可能性が大きいように見える。

だがこうした目標に向けて打ち出される政策によって、ペースは緩やかになっても長期持続が可能な経済成長を目指す構造改革の取り組みがおろそかになりかねない、との懸念が出ている。

多くのエコノミストは既に今年の成長率が’7%を割り込むと考えており、国際通貨基金(IMF)の見通しでは今年が6.8%、16年は6.25%の成長にとどまる。それでも中国政府がGDP倍増計画を実現するには、平均で7%近い成長が必要だ。

中国国家発展改革委員会(NDRC)は現在、シンクタンクや政策アドバイザーから5カ年計画の成長率目標について意見を募っているが、6.5%に下げるべきだという見方と、7%が良いとする見方に割れている。

NDRCのある調査担当者は「GDPの倍増を目指すというのは非常に厳しい制約になり、政府が成長率目標を引き下げるのを困難にさせてしまう」と述べた。

一方で政府系の有力シンクタンクのシニアエコノミストは「7%の目標はあらゆる関係者に受け入れられる可能性がある。これは経済問題というよりも政治問題だ」と指摘した。

足元では、政府が経済成長の脅威になるような分野で改革の手を緩めようとしている兆しが既に見受けられる。

例えば市場の動きに任せていると資金繰りが行き詰まるような地方政府の債務問題では、銀行に救済を求める圧力がかかり、同じ理由から実態が不透明な地方政府の資金調達機関への取り締まりが弱まった。また市場を歪める弊害があるものの、すぐに撤廃すると投資減少につながりかねない政策減税の一部は、段階的な縮小へと方針が変わった。

政府に助言しているある有力なエコノミストは「成長率を低くし過ぎるわけにはいかない。経済モデルの転換と構造調整が必要としているのは、しっかりした経済環境だ」と強調した。

<避けがたい減速>

政府系シンクタンク、中国社会科学院(CASS)は、2011─15年で7.6%と推計される中国の潜在成長率が、16─20年では6─6.5%に低下するとみている。

11─15年が推計通りなら、今後年間で6.5─7%成長すれば、20年までのGDP倍増実現には十分だ。

しかし成長ペースの鈍化は著しい。11年に9.3%だった年間成長率は14年には7.4%まで減速し、政府が今年の目標とする7%は25年ぶりの低い伸びとなる。

多くの民間エコノミストによると、政府は向こう5年もの間、7%成長を維持できそうにはない。

ANZ(上海)のエコノミスト、Zhou Hao氏は「今後5年の成長率は6%前後と予想している。政府が目標を7%に設定したなら、驚きの事態になる」と話す。

楼継偉・財政相は今年4月、中国がこれからの5年から10年の間に「中所得国のわな」(先進国になれず停滞が続く状況)に陥る確率が50%あると警告し、これを避けるには改革を断行して、急速に進む高齢化や労働市場の硬直性、多額の債務といった問題に対処しなければならないと訴えた。

しかし一部のアドバイザーからは、これらの改革と高成長は両立できず、現在の成長減速をもたらすさまざまな構造調整こそが、長期的な所得増加につながる可能性がある、との考えが示されている。

政府との関係が深いシンクタンクのエコノミストは「経済が減速する流れは避けがたいように見える。もしわれわれが7%の目標を設定したなら、大きなプレッシャーになりかねない」と懸念している。

(Kevin Yao記者)

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