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コラム:利上げ先送りのFRB、大統領選の嵐に突入も
2016年3月17日 / 00:41 / 2年前

コラム:利上げ先送りのFRB、大統領選の嵐に突入も

 3月16日、米連邦準備理事会(FRB)が、米大統領選挙戦の嵐の中に突入する可能性がある。写真はイエレンFRB議長。ワシントンで撮影(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)が米大統領選挙戦の嵐の中に突入する可能性がある。米連邦公開市場委員会(FOMC)が16日に政策金利の据え置きを決めたということは、次回の利上げが選挙戦の激化する時期と重なる見込みであることを意味する。議会共和党は既にFRBの監視強化を呼び掛けている。不必要に利上げを先送りすれば、政治的リスクの増大を招くことになる。

共和党の候補者指名争いで2位を走るテキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員は、先月選挙戦から撤退したケンタッキー州選出のランド・ポール上院議員が提案したFRBに対する監査の導入を支持している。悪いことに、首位を走るドナルド・トランプ氏は2月、FRBの監視強化を支持する考えをツイッターに投稿した。トランプ氏は従来よりタカ派的な金融政策を好んでおり、イエレンFRB議長はオバマ大統領に痛手となる景気後退を回避するため、政策金利を低位水準に据え置いている、とキャピトル・ヒル紙に語っている。

しかも、民主党の大統領候補指名争いをリードするヒラリー・クリントン前国務長官は、年内の利上げによって最も苦痛を受ける立場にある。市場のボラティリティが増大し、経済成長に対する懸念を引き起こす可能性があるためで、そうなれば反体制派の候補に攻撃材料を与えることになるからだ。FRBが6月に利上げに踏み切った場合、候補者を指名する党大会の直前になる。秋に利上げする場合でも、大統領選挙の本選を前に有権者に両党の候補者が最後の呼びかけを行う時期と重なる。

大半の経済的要素をみれば、米国景気は利上げの準備ができていることが示唆される。例えば16日に発表された2月のコア消費者物価指数(CPI)は前年比2.3%上昇した。これは2008年以来の高水準で、FRBが好んで用いる指標ではないにせよ、物価上昇をめぐる懸念を和らげる材料になるはずだ。FRBがほぼ10年ぶりに利上げに踏み切った翌月の1月の失業率も4.9%に低下した。

つまるところ、それはFRBが今週、自信を持って利上げに踏み切ることもできたが、その代わりに過度に慎重な道を選択したということを意味する。タイミングの選択としては、政治的に正しくない方に向かいつつある。

●背景となるニュース

*米連邦準備理事会(FRB)は16日までの2日間開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を維持することを決定した。FRBは米国経済が引き続き緩やかなペースで成長するが、グローバルなリスクは引き続き残るとの見通しを示した。また年内の利上げは2度限りという予測を示し、昨年12月時点の4度の予測から見通しを引き下げた。

*FOMCは昨年12月、ほぼ10年ぶりとなる利上げを実施したが、1月は政策金利を据え置いた。政策金利を検討する会合は6月に予定されており、大統領候補者を指名する民主、共和両党の党大会が開かれる1カ月前になる。

*3月15日の予備選挙では民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が5州のうち4州で勝利を収めた。ミズーリ州では、ライバルでバーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員とほぼ互角の支持を集めた。

*共和党では指名争いの首位を走るドナルド・トランプ氏は3州で勝利し、ミズーリ州でテッド・クルーズ上院議員(テキサス州)と互角の大接戦を繰り広げた。オハイオ州のジョン・ケーシック知事は地元の州で勝利した。地元フロリダ州で大差の2位に終わったマルコ・ルビオ上院議員は選挙戦からの撤退を表明した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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