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コラム:森友学園問題、投資家が考えるべき「キーマンリスク」
2017年3月27日 / 05:55 / 7ヶ月前

コラム:森友学園問題、投資家が考えるべき「キーマンリスク」

[香港 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 「キーマンリスク」は日本語で何と言うのだろうか。投資家はそれについて考える必要があるかもしれない。

 3月24日、「キーマンリスク」は日本語で何と言うのだろうか。投資家はそれについて考える必要があるかもしれない。写真は安倍首相。都内で5日撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

日本の安倍晋三首相の関与も取り沙汰されている学校法人「森友学園」の国有地払い下げ問題について、投資家は差し当たり楽観している。とはいえ、この問題は、あるぜい弱性を際立たせている。

それは、日本で現在展開されている大規模で抜本的な経済見直しは、1人の人物を中心に回っており、そのため同改革は「アベノミクス」と呼ばれているという点だ。

ナショナリズム色の強い教育で知られる大阪の学校法人「森友学園」が国有地を評価額よりも安い価格で払い下げを受けた問題を巡って、同学園の理事長を退任する意向を示している籠池泰典氏は23日、首相からの寄付金として100万円を昭恵首相夫人から受け取ったと参議院予算委員会の証人喚問で発言した。

首相夫妻はそのような支払いをしたこともなければ、同学園に対して、いかなる不適切な支援も行ったことはないと、籠池氏の主張を否定している。

市場は、これを政治的混乱だとはやし立ててはいない。24日午後の早い時点で、東証株価指数(TOPIX)は2月半ばに同問題が発覚して以降、0.5%下落しただけだ。MSCIワールド指数が0.4%上昇したことを考えると、それほど悪くはない。

ただしこうした騒動は、日本を応援する投資家が、安倍首相や首相と緩和策で手を握る日本銀行の黒田東彦総裁にいかに投資しているかを喚起させる。安倍首相が2012年に就任する以前、不人気だった一連の前任者らの在任期間は非常に短いものだった。そのことが、切に求められていた改革の推進をほぼ不可能にさせていた。

対照的に、日本は現在、安定した政治の先導役のように見える。高い支持率を背景に、安倍首相は農業から郵政民営化やコーポレートガバナンス(企業統治)に至る分野において変革にまい進することが可能だ。森友学園の籠池氏が証人喚問を行う前に実施されたある世論調査では、安倍内閣の支持率は低下したものの、56%と比較的高い数字を維持している。

安倍首相が辞任に追い込まれても、明らかな後継者は存在しない。型破りな東京都知事、小池百合子氏がそのうち名乗りを上げるかもしれないが、与党・自民党には傑出した候補者がいない。現在の見通しは、安倍首相が再選を目指し、2020年の東京五輪後も首相の座にあり続けるというものだ。

トップがどう変わっても、これまで進展してきたことが後戻りすることはないだろう。だが国民や政党からの支持が弱い人物が取って代わった場合、新たな政策の導入はより困難となり、官僚からの抵抗も強まる可能性がある。

これまで改革が行われてきたにもかかわらず、日本経済の復活は全くもって道半ばであるため、このことは重要だ。成長率やインフレ率、収益性は低過ぎ、労働市場はあまりに硬直している。投資家にとって、安倍首相抜きのアベノミクスはそれほど魅力的には聞こえないだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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