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コラム:トランプ氏に残された「一番まし」な北朝鮮対策
2017年9月14日 / 07:27 / 5日前

コラム:トランプ氏に残された「一番まし」な北朝鮮対策

 9月14日、米国が北朝鮮政策を改善する唯一の方法は、北朝鮮が今後長きにわたり核能力を保有し続け、米国が何を差し出そうと核開発プログラムを放棄することはありそうにないと認めることだ。写真中央は、北朝鮮の最高指導者、金正恩・朝鮮労働党委員長。KCNAが12日提供(2017年 ロイター)

[14日 ロイター] - ドナルド・トランプ氏は、北朝鮮問題で解決策を見いだすのに失敗した歴代米最高司令官の長いリストに、新たに名を連ねる大統領となった。

1960年代と70年代、米国の対北朝鮮政策の主な目的は、北朝鮮建国の父である金日成主席に、北緯38度線の南に再び軍を展開させないことだった。だがこの四半世紀においては、金王朝の非核化という、一段と困難な仕事に主眼が置かれている。

北朝鮮が7月に実施した2度の大陸間弾道ミサイル発射実験、日本上空を通過した8月の中距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験、そして、同国が水素爆弾と主張する9月3日の核実験は、米国と韓国、日本に、強硬な集団的措置を講じる必要性をより切迫感を持って認識させる結果となった。

米国の外交政策専門家たちは多くの選択肢を挙げているが、答えは簡単には見つからない。先制軍事攻撃は、その壊滅的な代償を考えると、現実的ではない。戦闘が開始された場合、韓国の首都ソウルでは初日に推定2万人が犠牲になると、ロブ・ギブンス米空軍退役准将は推測している。

国連安全保障理事会が11日に全会一致で北朝鮮に対する追加制裁決議を採択したが、経済制裁の効果は限定的だ。北朝鮮は制裁回避に長けており、自国の兵器プログラムの資金調達に、新しい効果的な方法を常に編み出してくる。

とはいえ、米国が冷戦時代の成功だけでなく、これまでの失敗から得られた教訓を踏まえ、成果への期待を抑えつつ新たなアプローチを取れば、うまくいく可能性もある。

北朝鮮は、核保有国として認められることをずっと望んできた。その要求は、のんでしまえば最も人気のある米国大統領にとってさえ、政治的地雷原となる。しかし、米国が正式に認めようが認めまいが、北朝鮮は核保有国である。

米国が北朝鮮政策を改善する唯一の方法は、北朝鮮が今後長きにわたり核能力を保有し続け、米国が何を差し出そうと核開発プログラムを放棄することはありそうにないと認めることだ。これは、北朝鮮の最高指導者、金正恩・朝鮮労働党委員長が、何を望んでいるかという問題ではない。むしろ、何が米国の国家安全保障にとって有益かの問題だ。

核保有国として北朝鮮を公式に認めることが、アジアの国々を震撼(しんかん)させようと、トランプ大統領はとにかくそうすべきである。そうすれば米国は直ちに、ますます想起しづらくなっている非核化という目標を離れ、抑止と封じ込めという昔ながらの戦略に再び焦点を絞ることが可能となる。

「危害を与えたがっている敵を封じ込め、弱体化させる方法をわれわれは知っている」と、米シンクタンク「センター・フォー・ナショナル・インタレスト」のハリー・カジアニス氏は筆者に語った。「歴史書をひもといて、何が有効かを読み返し、21世紀にそれを適用すればいい」

 9月14日、米国が北朝鮮政策を改善する唯一の方法は、北朝鮮が今後長きにわたり核能力を保有し続け、米国が何を差し出そうと核開発プログラムを放棄することはありそうにないと認めることだ。写真はトランプ米大統領。ニュージャージー州で8月撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

米国にとって、抑止と封じ込めとは、北朝鮮の隣国を脅かす能力を最小限にとどめるという共通の目的の下、地域内外の多様な国々で構成される反北朝鮮同盟を構築することを意味する。「スターリンや毛沢東のような人物を抑止できたのなら、同じことが金氏にも可能だ」と、元米国務省当局者のリチャード・ソコルスキー氏は筆者に電子メールでこう語っている。

政治的リスクを伴う決断だが、効果的な抑止には、冷戦時に米国がソ連や中国との間でホットラインを築いたように、トランプ大統領は北朝鮮と信頼できる連絡経路を構築する必要があるだろう。必ず生じるであろう誤解を解いたり、米国が許容できることを一元化して伝えたりするためだ。

北朝鮮指導部へのシグナルは可能な限り明確であるべきだ。つまりそれは、米国は北朝鮮との軍事衝突は望んでいないが、米国またはその同盟国の利益に危険な影響を及ぼすいかなる挑発に対しても、米軍は対応を取る、ということだ。正恩氏が周辺国を攻撃しない限り、米国と北朝鮮は共存できるということを伝えるのがその狙いだ。同氏が自己防衛に執着していることを考えれば(自滅するつもりであることを示す証拠はこれまで見当たらない)、このようなお膳立ては、若き独裁者が検討するには十分に実利的である。

北朝鮮はまた、イランやシリアといった国々に対し、核設計やミサイル技術、そして恐らくは化学兵器開発においても輸出や協力を行っているとして非難されている。したがって、国連安保理は、そうした行動を継続すれば、北朝鮮の貿易に対して一段と強硬で包括的なボイコットを実施する根拠となるというメッセージを送るべきだ。

中国は、北朝鮮に対する石油の全面禁輸や崩壊をもたらすほど経済を締め付けることには抵抗し続けているが、米国は、中国が同意できるかもしれない分野で協力を求めてもいいだろう。例えば、核・ミサイル開発に転用可能な技術が北朝鮮に拡散するのを防止することなどだ。このようなものの流れをせき止めれば、大量殺りく兵器を拡散する他の国家へとそれが渡る事態を最小限に抑えられるだろう。この目的は、中国も共有しているとみられる。

米国はまた、韓国と日本に対し、関係を強化するよう促す必要がある。歴史的なライバル関係が、東アジアが共通の目的意識を持つために不可欠な情報共有の妨げとなってはならない。トランプ政権は今後、同盟関係の構築のために、従来をはるかに上回る外交努力を割く必要がある。

自由貿易協定の破棄を公言するのは、反北朝鮮同盟の基盤となるパートナーシップを揺るがすだけだ。米国は、韓国により重い自国防衛の責任を持たせることが可能であるし、またそうすべきだ。核開発が敵国のあいだに分断をもたらしていると北朝鮮が受け取る理由を与えずに、それを実行することは可能だ。

米国の政策責任者にとって、コンフリクト・マネジメントは最も理想的なシナリオではないが、われわれに残された唯一の賢明な選択肢であるのかもしれない。

*筆者は米ディフェンス・プライオリティーズのフェロー。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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