米政権、デリバティブ市場の規制強化を提案

2009年 07月 13日 08:58 JST
 
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 [ワシントン 10日 ロイター] 米当局者は10日、デリバティブ(金融派生商品)市場の包括的規制改革案の概要を明らかにするとともに、投資家保護の強化を提案した。

 オバマ政権は今後数週間に、連邦監督機関の権限強化を盛り込んだ一連の提案を発表する見通し。

 商品先物取引委員会(CFTC)は、市場のボラティリティを抑制するために原油やその他の先物取引に持ち高制限を設けるべきかをめぐり、今夏に公聴会を開く予定。CFTCのチルトン委員はロイターとのインタビューで、委員会が10月下旬までにも新規制を導入する可能性があると述べ、「われわれはかなり早いスケジュールを念頭に置いている」と表明。「与えられた権限を最大限使う。ただ、過度に厳しく権限を行使するという意味ではない」と語った。

 ガイトナー財務長官は下院金融・農業委員会の共同公聴会で証言し、店頭デリバティブは政府の監督下に置く必要があると指摘。「店頭デリバティブを扱うすべてのディーラーを厳格な監視と規制の対象とすることを提案する。保守的な資本・マージン基準や厳しい業務運営基準などが含まれる」と述べた。

 米デリバティブ市場は、JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)(BAC.N: 株価, 企業情報, レポート)、シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)、ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)の4社が90%以上のシェアを占めている。

 財務長官は、現行の規制システムでは一部の金融機関が適切な資本を備えることなしに特定のリスクに対応する大規模なデリバティブ商品を販売することができると指摘した。

 オバマ政権の改革案では、すべての店頭デリバティブとそのディーラーが規制の対象となる。デフォルト(不履行)のリスクを削減するため、「標準化された」店頭デリバティブは監督下の取引所を通じて売買される。非標準的なデリバティブの売買には報告義務が課され、資本やマージンの基準を満たすことが義務付けられる。

 ガイトナー財務長官は「『標準化された』店頭デリバティブについて、市場に応じて発展することが可能で、かつ抜け穴を探すことの難しい包括的な定義を示す方針だ」と述べた。

 CFTCと米証券取引委員会(SEC)が詳細を策定した上で、偽の非標準的な取引を取り締まる。

 財務長官は、店頭デリバティブ市場の中での監督分野をめぐりCFTCとSECが「大きな進展」を遂げたと指摘。管轄区分を明確にした法案を提示する考えを明らかにした。

 農業委員会のピーターソン委員長は記者団に対し、金融・農業委員会の有力議員と規制当局の個別の協議から判断すると、店頭デリバティブの規制に関する合意は近いと表明。「実際、あらゆる問題について90─95%合意している」と語った。

 投資家保護に関する提案では、ブローカー・ディーラーに課す一貫した受託者資格基準を設定する権限をSECに付与する。SECは、投資家の最善の利益に反する商品に投資家を誘導するような行為につながる賞与や報酬を禁止することが可能になる。

 SECはこのほか、投資家が投信に資金を入れる前に目論見書を提示することを義務付ける権限も得るとともに、内部告発者に見返りとして支払う資金を用意することも可能になる。

 
 
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