米企業CEOの景気認識は強弱まちまち、投資家に戸惑いも

2009年 10月 26日 14:53 JST
 
記事を印刷する |

 [ニューヨーク 23日 ロイター] 米企業の決算発表が本格化しているが、景気回復に関する最高経営責任者(CEO)のコメントは強弱まちまちの内容で、投資家は今後の見通しを把握しきれないでいる。

 多くの企業は、景気の安定化や需要の持ち直しの動きを指摘している。しかしその一方で、第3・四半期決算は予想を大幅に上回っても、景気回復への道のりは厳しいなどと暗い見通しを示す発言も出ている。

 予想より好調な経済指標や決算を背景に、S&P総合500種は3月上旬につけた12年ぶりの安値から約60%上昇した。ただ今後の決算で弱気の見方が続けば、投資家の間で警戒感が強まりかねない。

 ジョンソン・イリントン・アドバイザーズのジョンソン最高投資責任者(CIO)は「これまでがあまりに厳しかったために、声明や見通しでの中で楽観的すぎる見方を示すことにためらいがある」と指摘。「弁護士も(CEOに対して)保守的になるよう忠告している」と述べた。

 ダウ・ケミカル(DOW.N: 株価, 企業情報, レポート)の第3・四半期決算は予想を上回る66%の増益で、株価も上昇したが、示した見通しは明るいものではなかった。

 ダウのリバリスCEOは、声明の中で「2009年の残りの期間の景気見通しは安定化しつつある。しかし、当社の2009/2010年の事業計画では、市場環境の大幅な改善を見込んでいない」としている。

 

 <企業収益の市場予想は大幅に改善>

 

 ブロードコム(BRCM.O: 株価, 企業情報, レポート)は売上高が予想の平均を上回ったものの、第4・四半期の売上高と利益率の見通しは投資家の予想に及ばなかった。

 マクレガーCEOは、経済は困難を脱していないかもしれない、と警告。「サンタが今年は来るのかどうか、若干の懸念がある」と述べた。

 一方、企業収益の市場予想は大幅に改善している。トムソンロイターによると、S&Pの200社近くが決算を発表した段階で、第3・四半期は前年比18.2%減益と予想されており、先週の予想(22.6%減益)や月初の予想(24.7%減益)と比べて大きく改善している。

 トムソンロイターによると、S&Pを構成する500社の約81%が利益予想を上回った。通常は、61%程度が予想を上回ることが多い。

 また、S&P500社のおよそ62%で、売上高が予想を上回った。

 トムソンロイターによると、第3・四半期は10.2%減収が見込まれている。先週時点の予想では、10.4%の減収が見込まれていた。

 

 <CEOは市場予想の押し下げに腐心>

 

 26日からの週にはエクソンモービル(XOM.N: 株価, 企業情報, レポート)、シェブロン(CVX.N: 株価, 企業情報, レポート)、コノコフィリップス(COP.N: 株価, 企業情報, レポート)などS&Pの149社が決算を発表する。

 CEOはこれまでにも、業績について慎重な見方を示して、アナリストが低い収益見通しを出すように誘導する、ということを行ってきた。

 フュージョンIQのリットホルツ株式調査部長は「企業はとくにこの10年間、市場の期待を巧妙に低下させて、決算が市場予想を上回るように操作している。毎四半期がサプライズなのはこのためだ」と指摘。

 ジョンソン・イリントン・アドバイザーズのジョンソンCIOは、CEOは「われわれが保守的な見方をするように誘導することができるが、これはガイダンスにすぎない」と述べたうえで「投資家は、自分の認識に基づいて見方を調整する必要がある。私は、景気や企業収益に関する向こう12カ月の見通しは、低すぎると考えている」と強調した。

 

 
写真
ドル一時84円台:こうみる

ドルが一時84.82円まで下落し、14年ぶり安値に。円急騰やドバイ政府系企業の債務モラトリアムへの警戒感で株は続落。  記事の全文 | 関連記事 

 
Photo

株価検索

会社名銘柄コード
 

ロイターオンライン調査

写真

ドルが14年ぶりに86円台へと下落したが、これが「ドル危機」に発展する日が来るのかどうか。  ブログ 

ファクトボックス

DOW.N
現値:
前日比:
Up/Down:
 
  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率