消費者金融の09年3月期、アコムのみ増益予想・プロミスと武富士は減益

2008年 05月 8日 19:05 JST
 
記事を印刷する |

 [東京 8日 ロイター] アコム(8572.T: 株価, ニュース, レポート)とプロミス(8574.T: 株価, ニュース, レポート)、武富士(8564.T: 株価, ニュース, レポート)の消費者金融3社が8日発表した2009年3月期連結業績予想は、当期利益ベースでアコムだけが増益を予定し、残り2社は減益見通しとなった。

 高止まりが続く利息返還請求は、年度後半からは減少するとの見方も出たが、2年後の改正貸金業法の本格施行に向けて市場縮小の動きは止まらず、各社とも明確な成長戦略を描き切れずにいる。

 アコムの09年3月期当期利益予想は、前年同期比22.3%増の433億円(ロイターエスティメーツによる主要アナリスト4人の予測平均502億円)。プロミス(8574.T: 株価, ニュース, レポート)は同18.5%減の130億円(同307億円)。武富士(8564.T: 株価, ニュース, レポート)は同18.5%減の115億円(同352億円)と予想。いずれもアナリスト予想を下回る見通しとなった。

 各社とも売上高に当たる営業収益は、ローンの残高減少と金利引き下げによる利回り低下で減収か微増にとどまると予想した。

 アコムは営業収益が前年同期比14.4%減の3250億円となる見通し。利息返還費用1200億円程度は過去に積んだ引当金を取り崩して対応するため、実際の損益に与える影響はゼロと見込む。経常利益は同32.4%減の562億円を想定しているが、当期利益ベースでは前年度に計上した税関連の費用が大きく減少し、増益となる。

 プロミスは営業収益を前年同期比1.7%増の3979億円と見込む。三洋信販の買収効果でトップラインは微増するものの、システム統合などの統合コストがかかるため、経常利益は同36.3%減の409億円になる見込み。利息返還額として907億円を想定し、費用として334億円を引当金に計上する。

 武富士は営業収益を前年同期比26.9%減の1977億円と想定。利息返還額は900億円を予想。09年3月期の配当は未定としながらも、近藤光社長は配当性向は50%を維持し、1株50円前後を予定していることを明らかにした。

 <利息返還請求は年度後半にも減少との見方、買収戦略には濃淡>

 消費者金融業界の目先の懸案事項は、利息制限法が定める上限金利(15―20%)を超える利息の返還請求。各社のトップからは高止まりを懸念する声が出る一方、9月以降に減少するとの見通しも相次いだ。プロミスの神内博喜社長は「年度の後半から、なだらかに減少する」との見通しを示した。武富士の近藤社長も「中間期以降のピークアウトを想定している」としたものの、改正貸金業法が本格施行される2年後には「大きな波が来る可能性がある」とし、再度、利息返還請求が増加する可能性を指摘した。

 生き残りを模索している各社が進めている戦略の一つが規模の拡大だ。プロミスはすでに三洋信販を傘下を収めたが、現在進んでいるM&A(合併・買収)案件がGEコンシューマー・ファイナンス(東京都港区)による消費者金融事業「レイク」の売却。アコム(8572.T: 株価, ニュース, レポート)とプロミス(8574.T: 株価, ニュース, レポート)、新生銀行(8303.T: 株価, ニュース, レポート)が最終入札に残っており、アコムの木下盛好社長は「貸付残高規模が減少する中、成長戦略として買収も選択肢の一つ」と意欲を示した。一方で、神内社長は「買収のための資金調達環境が厳しくなっており、制約になっている」とコメントし、規模のメリット追及による生き残り策も楽観視できない現状を示した。武富士の近藤社長は「同業者の買収は一切考えていない」と述べ、異業種との業務提携などにより顧客基盤の拡大を図る方針を示した。

 (ロイター日本語ニュース 布施 太郎)

 
 

編集長のおすすめ

  • ニュース
  • 写真
  • ビデオ

ファクトボックス

8572.T
現値:
前日比:
Up/Down:
 
  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率

株価検索

会社名銘柄コード
 
写真

サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁は、今後2年間はFF金利がゼロ近辺にとどまる可能性があると指摘した。  ブログ