米SECとFRB、投資銀行に対する監督権限を主張
[ワシントン 24日 ロイター] 米下院金融委員会は24日、米証券取引委員会(SEC)のコックス委員長やガイトナー・ニューヨーク連銀総裁を招致して金融監督改革をどのように進めるかをテーマに公聴会を開いた。
コックスSEC委員長は、投資銀行の監督権限をSECに与えるよう議会に要請。ガイトナー連銀総裁は、FRBが商業銀行に対するのと同様の権限を持ち、投資銀行を監督する必要があると述べた。
信用危機の再発を防ぐために商業銀行と投資銀行の経営健全性を確保する新たな監督体制のあり方について、SECとFRBは、多少の相違はあるものの似たようなビジョンを示した。
両氏はそろって、1930年代の大恐慌時代に定められたものが大半を占める現在の継ぎはぎ的な監督体制が、約1年にわたる金融市場混乱の一因だと指摘。ただ、コックス委員長が、SECが投資銀行を監督すべきと主張したのに対し、ガイトナー総裁は、FRBの融資を受ける金融機関はすべてFRBの直接監督下に置かれるべきとの見解を示した。
ガイトナー総裁は「FRBが商業銀行と投資銀行をまとめて監督する役割を持つことが非常に重要。なぜなら、監督という形で直接情報を得なければ、FRBは適切な判断を下せないからだ」と証言。投資銀行業務や商業銀行業務も含め幅広いサービスを展開する金融機関の出現で監督体制が分かりにくくなっており、さまざまなタイプの金融機関を監督するための責任と権限を明確にする改革が必要と指摘した。
その権限がどこに与えられるかは、まだ分からない。米財務省は3月31日、SECと米商品先物取引委員会(CFTC)を統合し、FRBの権限を強化する枠組みを提案した。
この財務省案について、コックス委員長は当初、監督体制の明確化は必要との見解を示していた。24日の公聴会では、投資銀行に対する主な監督はSECが担うべきと主張、「最初からやり直す必要はない。われわれは、これまでの実績を基にし、これまでうまくいかなかったことを教訓とし、市場の発展を反映させるよう現行制度を近代化することができる」と述べた。
<ベアー・スターンズ危機後の監督体制模索>
金融監督改革への取り組みは、昨年夏に今回の危機が起こる以前から行われていた。しかし、今年3月に米投資銀行ベアー・スターンズが事実上破たんしたことで緊急性が増した。
現在、4大投資銀行のゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)、リーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)、メリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)は事実上SECの監督下にある。しかしSECの監督は自主的なもので、コックス委員長はかねてより議会に正式な監督権限をSECあるいは別の機関に持たせるよう要請していた。
商業銀行を監督する役割は、危機に陥った時の最後の貸し手(ラストリゾート)になるという理由でFRBが担っている。
しかし、今回の信用危機では、FRBが金融システムの混乱を防ぐために流動性供給の対象を投資銀行にまで広げた。FRBは投資銀行に対する監督強化を承認するよう議会に求めている。
ガイトナーNY連銀総裁は「FRBが、ラストリゾートの役割を果たす上で必要な判断を下すために、投資銀行のリスク・プロファイルを直接監視できることが不可欠だ」と述べた。
コックスSEC委員長は、投資銀行と商業銀行では業務内容が異なり、したがって異なる監督体制が必要と述べた。この点はFRBも強調した。
コックス委員長は「SECは証券業務・市場に対象を絞った監督当局として、改正された枠組みを実行に移す責任を与えられるべきだ」と述べた。
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