インタビュー: 農業分野でのPB、積極的に考えたい=ファミリーマート
[東京 25日 ロイター] ファミリーマート(8028.T: 株価, ニュース, レポート)の上田準二社長は25日、ロイターのインタビューに応じ「農業分野で自ら生産に携わることに関しては、積極的に考えて行きたい」と述べた。同社は、ミネラルウオーターの生産拠点を共同出資で設立すると発表しているが、水の次は「農業分野」でのプライベートブランド(PB)生産進出を狙っている。
水については、09年1月をメドに霧島山系の水源地にボトリング工場を建設し、6月以降に試運転・生産をスタートさせる。PBの製造に関与することについて、上田社長は「安心・安全な水の生産拠点を持つことは、ファミリーマートにとって財産になる。メーカー頼みから一歩踏み込み、生産拠点を持つという新しい試み」と位置付けた。
今後については「次は農業分野。企業農園を持って良いとなれば、前向きに検討する余地がある」と積極的な姿勢をみせた。コンビニにとっておにぎりや弁当はコア商品であり、安心な原料の安定調達につながることになる。
イオンは、専用の水田を確保し、コメの生産に乗り出すことを公表しており、大手流通の生産関与の流れが強まっている。
<海外展開を加速、ベトナムやインドはコンビニ文化に馴染む>
国内には約4万1000店のコンビニがある。国内での出店余地は「1万店程度」としたうえで「いずれ国内市場は飽和状態となる。成長戦略として、グローバル化を目指す必然性がある」と述べた。現在、タイ、台湾、中国、韓国、米国で展開しているが「グローバル展開は、さらにスピードアップしていく」と強調した。
次の展開としては、経済成長のスピードが速く、国民の生活水準が上がっている、国民の年齢が若い国が条件になるとし「欧州は該当しない。ベトナム、インドは該当する。中国は人口の集中している都市圏には出店するため、上海だけでなく、5つ程度の会社は必要。ロシアはコンビニ文化が入りやすい国になりつつある」と述べた。
同社は国内外店舗で2万店(6月末で1万4045店)を目指しており「現在出店している地域で2万店を完成させることに経営資源を集中させる」とし、1年半―2年後に2万店を達成した時点で次の展開に移ると述べた。
<09年2月期、配当積み増しも選択肢の一つ>
09年2月期の年間配当は前年比4円増配し64円にする方針だが、業績を上方修正したことで、公約として掲げている連結ベースでの配当性向35%を割り込む見通し。上田社長は「35%と公言したのだから、それに向けた配慮を、下期に入ってからの動向を見て考えなければならない。配当積み増しも選択肢の1つ」と述べた。同時に「安定的に継続的にきっちりとした配当を出して、株主還元をしていきたい」とし、1年ごとに配当を上下させる方法は好ましくないとの方針も示した。
一方、自社株買いについては、同業他社との比較において、自社の業績が株価に適切に反映されていない場合に行いたいとし「今、自社株買いをしなければいけない状況ではない」とした。
3―5月期決算発表時に09年2月期連結営業利益予想を324億円から345億円(前年比10.5%増)に引き上げたが「保守的だと思う」と述べた。7月の既存店売上高は前年同月比15%程度伸びており、非常に好調に推移している。このうちICカード(タスポ)方式によるたばこ自動販売機導入によるコンビニでのたばこ購入が増加したタスポ効果は6%程度で、コア商品である弁当やパスタなどの「中食」が8―9%伸びているという。他社に先駆けて始めたフライドチキンやデザート、パスタの3分野で差別化を図っており「商品力が圧倒的ならば、顧客は他店に移らない」と自信を示した。
ただ、天候要因などで売り上げは左右されるため「10月中旬の中間決算発表時には通期が見えてくる。その時点で公表しても遅くない」と語り、現状で下期の業績予想を据え置いている理由を説明した。
<2010年2月期も既存店売上高増は継続可能>
株式市場では、タスポ効果のはく落が予想される2010年2月期について、減収減益を懸念する声も聞かれるが、上田社長は「タスポの反動減を相殺するだけ、コア商品の売り上げを上げなければならない。客数で3%以上伸ばさなければならない」と指摘。たばこ購入のために増えた新規顧客がコア商品の購買客として定着するため、レジ周辺の品ぞろえを変更するなどの努力を継続しているとし「ベースが固まってきたため、より良い商品を出し続けられれば、顧客の支持率(客数)が下がることはない。ある程度の価格転嫁も受け入れられるだろう。今、歯車がうまくかみ合っており、既存店の物販の上昇は続けていける」との見通しを示した。
(ロイター日本語ニュース 清水 律子記者 浦中 大我記者)
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