三井住友FGが増資、09年3月期は3900億円の赤字に
[東京 9日 ロイター] 三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)は9日、2009年3月期の業績予想の下方修正と8000億円の普通株による増資計画を正式発表した。連結当期損益は従来予想の1800億円の黒字から3900億円の赤字に引き下げた。
投資有価証券の減損や与信関係費用がかさみ、赤字に転じる。財務基盤を強化するため8000億円を上限とする公募増資を実施する計画も発表。調達資金は中核的自己資本(Tier1)に組み入れ、財務基盤を強化する。
<与信関係費用が当初予想1800億円悪化の5500億円に拡大>
三井住友銀行単体の09年3月期業績は、最新損益が従来予想の1600億円の黒字から3100億円の赤字に転落する。保有株式の減損が約2200億円。このうち、最も大きいのが昨年実施した英銀大手バークレイズ(BARC.L: 株価, 企業情報, レポート)に対する出資で、532億円の減損損失を計上する。貸出先の業績低迷や信用リスクの拡大を踏まえ、引当金も積み増す。与信関係費用は従来予想から1800億円増えて約5500億円となる。そのほか、繰り延べ税金資産を3000億円取り崩すことも響く。
配当見通しも修正し、年間配当は従来予想の120円から90円に引き下げた。08年3月期の実績は120円だった。減配により社外流出を防ぎ、自己資本の向上に努める。自己資本比率改善効果は0.04%あるという。
09年3月末の自己資本比率は11%程度、Tier1比率8%弱を確保する見通しとなった。有価証券の評価損益は600億円のマイナスで、このうち株式は160億円のマイナスとなった。日経平均株価が6500円に下落しても、減損額は350億円程度で済むという。
<8000億円上限の普通株を発行登録、最大で約3割の希薄化>
三井住友は同日午後、8000億円の普通株発行を登録したと正式発表した。調達資金は中核的自己資本(Tier1)に組み入れる。発行期限は4月17日から1年間、引受証券会社に大和証券SMBCとゴールドマン・サックス証券を選定した。昨年末から今年初めにかけて優先出資証券で約7000億円の資本増強を実施したばかりだが、邦銀に対する自己資本懸念に押されるかたちで半年も経たないうちに、巨額増資に踏み切ることになった。
記者会見した国部毅取締役は、普通株増資を決断したことについて、Tier1だけでなくさらに資本性の高いコアTier1を強化する狙いがあると説明。さらに経済環境が悪化しても耐えうる強固な資本基盤を早期に構築する必要があるとした。また、貸出余力を高めて円滑な資金供給を図るとともに、戦略的な選択肢も確保すると説明。こうしたことを踏まえて、希薄化についても「中長期的な企業価値の向上に耐えうる」とし、「投資家からは受け入れられると思う」と語った。三井住友FGの時価総額は約2兆8500億円。単純計算で約28%の希薄化が発生することになる。
8000億円の根拠について、09年度に計画しているリスクアセットを前提にするとTier1比率8%を維持するためには6000億円が必要となる計算だと説明。2000億円は追加的なバッファーだとした。
国部取締役は公的資金の必要性については「自力調達に取り組んでいきたい」と述べ、注入を受ける考えはないことを明らかにした。
(ロイター日本語ニュース 布施太郎記者 江本恵美記者)
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