焦点:米工業セクターの決算、楽観的見通しはほとんどなし
[シカゴ/ボストン 14日 ロイター] 米国では来週にかけてゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N: 株価, 企業情報, レポート)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX.N: 株価, 企業情報, レポート)、3M(MMM.N: 株価, 企業情報, レポート)といった工業セクター主要企業の決算発表が始まるが、世界的な景気低迷の影響の深刻さが明らかになる見通し。
特にキャタピラー(CAT.N: 株価, 企業情報, レポート)は厳しい内容になる見込みで、アナリストの間では工業セクター大手で赤字となる最初の企業との見方が多い。
厳しい決算は同社にとどまらない見込み。ロイター・エスティメーツによると、GEは1株当たりベースで52%の減益となる見通し。ユナイテッド・テクノロジーズは23%の減益、3Mは38%の減益が予想されている。
決算内容の予想の水準が低いため、市場の関心は企業が示唆するエンドマーケットの悪化継続のヒントや安定の初期兆候に集中する見通し。
エドワード・ジョーンズの資本財アナリスト、マット・コリンズ氏は「誰もが考えているのは、いつ底を打つかということだ。2009年なのか2010年なのか。コンセンサスをみると、アナリストは2010年に成長が再開するとみており、投資家は実現の兆候を探ろうとするだろう」と述べた。
来週にかけて決算発表が予定されている工業セクターの主要企業は、ハーレー・ダビッドソン(HOG.N: 株価, 企業情報, レポート)、パーカー・ハニフィン(PH.N: 株価, 企業情報, レポート)、イリノイ・ツール・ワークス(ITW.N: 株価, 企業情報, レポート)、イートン・コープ(ETN.N: 株価, 企業情報, レポート)、ペントエアー(PNR.N: 株価, 企業情報, レポート)、テレックス・コープ(TEX.N: 株価, 企業情報, レポート)、ハネウェル・インターナショナル(HON.N: 株価, 企業情報, レポート)、ケナメタル(KMT.N: 株価, 企業情報, レポート)など。
<厳しさの前兆>
厳しさを示す前兆となったのは、13日発表された総合工具・機器メーカーSPX(SPW.N: 株価, 企業情報, レポート)の09年決算見通しの下方修正。同社は09年の1株利益見通しを18%引き下げ、第1・四半期は当初予想の下限にとどまるとの予想を明らかにした。多くの市場で売り上げが予想を下回っていることが要因。
ユナイテッド・テクノロジーズ、インガソール・ランド(IR.N: 株価, 企業情報, レポート)、エマーソン・エレクトリック(EMR.N: 株価, 企業情報, レポート)、マニトワック(MTW.N: 株価, 企業情報, レポート)も過去数週間で09年決算見通しを下方修正した。
各社とも、数カ月前に予算をたてた時点から需要が予想以上に落ち込んだことを理由にあげている。
ただドイツ銀行のアナリスト、ナイジェル・コー氏は、顧客向けのリサーチノートで、多くの企業の予想に含まれている下半期の回復見通しの数字は「依然としてアグレッシブ過ぎる」と指摘している。
<景気刺激策の効果は見込めず>
オバマ政権は景気刺激策の一部であるインフラ整備プロジェクトを前倒しで実施する方針を明らかにしているが、第1・四半期の決算は企業にとって不愉快な状況が明示されるのは確実。
不透明感は強く、GEは具体的な1株利益の見通し発表を止め、代わりに個別部門の見通しの「枠組み」を明らかにする方針を示した。
GE幹部は先月投資家に、米連邦準備理事会(FRB)の予想に基づく経済モデルから考えると、GEキャピタルの利益はGEの予想よりも大きく落ち込むとの見方を示した。ただ、GEキャピタルの「枠組み」のアップデートとして今後の展開を示すことは控えた。
キャタピラーの第1・四半期は特に厳しく、ロイター・エスティメーツによると、1株利益は前年の1.45ドルから95%減の0.07ドルに落ち込む見込み。
ただ、既に発表している2万5000人の人員削減関連のリストラコストなどを勘案すると、1992年以来初めての赤字となる公算が大きいという。
メリルリンチのアナリスト、アンドリュー・オービン氏は、米会計基準(GAAP)ベースで1株あたり0.74ドルの赤字を予想している。ただ同時に同氏は、第1・四半期が同社にとっての底との見方を示した。
工業セクターに好材料があるとするなら、売り上げが安定したら、過去数カ月に実施した大幅な人員削減やリストラの効果が今後数カ月に現れ始めることとだという。
(James B. Kelleher記者、Scott Malone記者;翻訳 中田千代子;編集 内田慎一)
© Thomson Reuters 2009 All rights reserved.



日本
米国