訂正:大手ゼネコンに利益底打ち気配、公共工事拡大にも期待

2009年 05月 19日 13:24 JST
 
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 水野 文也記者

 [東京 15日 ロイター] 大手ゼネコン4社(大成建設(1801.T: 株価, ニュース, レポート)、大林組(1802.T: 株価, ニュース, レポート)清水建設(1803.T: 株価, ニュース, レポート)、鹿島(1812.T: 株価, ニュース, レポート))が利益面に底打ち気配が出てきた。国内外の工事採算悪化で09年3月期は業績低迷を余儀なくされたものの、それらが一巡する10年3月期は各社とも完成工事利益率の改善が見込まれている。

 また、景況不透明感から受注環境は楽観視できないながらも、今後は景気対策を追い風に公共工事の拡大が期待材料になりそうだ。

 2010年3月期各社の連結営業利益予想は、大成建設(1801.T: 株価, ニュース, レポート)が330億円の営業黒字になる見通しで、トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト11人の予測平均値313億円とほぼ同水準。大林組(1802.T: 株価, ニュース, レポート)は同6.8%減の255億円で主要アナリスト10人の予測平均値322億円を下回った。

 清水建設(1803.T: 株価, ニュース, レポート)は前年比9.7%増の245億円で主要アナリスト9人の予測平均値315億円を下回り、鹿島(1812.T: 株価, ニュース, レポート)は同47.2%増の290億円で主要アナリスト9人の予測平均値227億円を上回った。

 大林組は減益予想となっているが、これは別会社が担当する海外建築工事の不振が続くため。本社が直轄する海外土木工事を含む単体ベースの営業利益については、同39.9%増の180億円と大幅増益が見込まれている。

 完成工事利益率の改善する理由として、過去1─2年に利益確保を優先して選別受注を進めた効果が生じてくる点が挙げられる。公共工事が減少するなど受注環境が悪化する中各社とも数量を確保するために無理に受注確保したところに「資材費の急騰が直撃するなど、一段の採算悪化を招いた」(大林組の野間暎史副社長)という。そうした反省から各社とも「不採算案件を取らないように受注を絞り込んだ」(清水建設の黒澤成吉専務)結果、国内建設事業は土木・建築いずれも利益率向上が見込めるようになった。

 不動産市況の急激な悪化など環境面は厳しいものの「新興系不動産など出来高払いを要請するなど、支払い条件で受注を絞り込むなど無理をしていない。その結果、売上高は減るが、採算は改善する」(大成建設の冨岡守執行役員経理部長)という。また「資材費下落のメリットがこれから効いてくる」(鹿島の染谷香専務)との声も出ていた。

 さらに、09年3月期には、世界的な景気悪化の影響や急速な円高によってダメージを受けた海外工事の採算悪化が目立ったが、「資材高や労務費急騰で苦しんだ中東の工事が10年3月期は一巡、これが全体の粗利益率を改善させる」(清水建設の渡辺英人経理部長)と不採算である海外工事の一巡も利益アップ要因となっている。

 実際、清水建設の09年3月期における土木工事の利益率は─6.5%だったのが、10年3月期は5.0%まで回復を見込む。同じく大成建設も─1.0%から6.4%に、鹿島も3.6%から5.5%まで改善する見通しだ。

 他方、受注高については、大成建設が前年比2%減、大林組が同10%増、清水建設が同4%減、鹿島が同16%減と各社にばらつきがある。2ケタの伸びを見込む大林組では、その理由として民間建設で大型物件の受注メドがついていることを挙げているが「総じてみると民間工事は厳しく、いつ回復するか読めない」(鹿島の染谷専務)と景況不透明感から国内の民需について慎重なスタンスが目立つ。

 ただ、一方では「官公庁工事の雰囲気がいい。補正予算などから先行き発注が期待できる」(大林組の野間副社長)と公共工事は今後の収益下支え要因になりそうな状況だ。

 実際、各社の09年3月期にける国内官公庁工事の受注実績をみると、大成建設が2660億円(前年比88.4%増)、大林組が1721億円(同99.6%増)(訂正)、清水建設が1851億円(同16.9%増)、鹿島が2328億円(同83.4%増)と全体的に勢いが感じられる。既に前倒しで工事が発注されている格好だが、今後についても「ひと頃とは違い、公共投資も必要とのコンセンサスが得られるようになっており、発注に期待がかかる」(大成建設の阿久根操専務)との声も出ていた。

 官公庁工事の受注増加は、景気刺激策の側面だけではなく、総合評価落札方式の導入も大きい。これは従来の価格のみによる自動落札方式とは異なり、価格と価格以外の要素(初期性能の維持、施工時の安全性や環境への影響)を総合的に評価する落札方式。ノウハウや施工実績が豊富な大手ほど有利に働くため、補正予算執行に伴い公共事業が拡大した場合、4社が受注競争で優位に立つことが想定されている。

*15日に送信した記事の中で、10段落目の大林組の国内官公工事の受注高(09年3月期)を1548億円(前年比22.9%減)から1721億円(同99.6%増)に訂正しました。

 
 
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