インタビュー: WiMAXのインフラ構築でUQコムに追加出資も=KDDI社長
[東京 3日 ロイター] KDDI(9433.T: 株価, ニュース, レポート)の小野寺正社長兼会長は3日、ロイターのインタビューで、今月から始まった高速無線の「WiMAX(ワイマックス)」を運営する持分法適用会社のUQコミュニケーションズ(UQコム・東京都港区)に追加出資する構えがあるとの考えを示した。
UQのインフラ構築資金は必要に応じて提供する方針で、今後、大容量データの利用で成長が見込める高速無線市場の基盤を固めていく姿勢を示した。
WiMAXは受信速度が毎秒最大40メガ(メガは100万)ビットで、固定回線のADSLの速さに匹敵する無線回線。7月1日から有料サービスを開始したが、当初は首都圏、名古屋、京阪神の一部のカバーにとどまる。運営会社のUQコムは、これから順次エリアを拡大し、2012年度までに1400億円をかけて全国をカバーする計画。サービス開始までにUQコムは、KDDIのほか、米インテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)、東日本旅客鉄道(9020.T: 株価, ニュース, レポート)、京セラ(6971.T: 株価, ニュース, レポート)の出資で470億円の資本金・資本準備金を調達した。今後も追加出資や銀行借り入れで資金を調達する方針。
ただ、総務省が新規参入を促すことをねらいとして設けた制限によって、UQコムには、KDDIほかNTTドコモ(9437.T: 株価, ニュース, レポート)やソフトバンク(9984.T: 株価, ニュース, レポート)など第3世代携帯電話会社からの出資が議決権ベースの3分の1未満に制限されている。このためKDDIが保有する普通株の議決権比率は32%となっているが、5月にはUQが優先株で実施した第三者割当増資を引き受けたことで、KDDIの出資総額は207億円になった。UQの資本金・資本準備金に対する比率は44%となる。
小野寺社長は「UQはうちの会社だと思っている。(優先株による出資は)3分の1の制限があるから仕方なくそうなっている」と指摘。その上で「(今後の出資は)増やす必要があれば増やしていく。他社も比率をキープしたいなら按分することもあるかもしれないし、いろいろなケースがあり得る」との考えを示した。
インタビューの詳細は以下のとおり。
――今月からWiMAXの有料サービスが始まったが、KDDIは拡大するデータ通信市場でどのように事業展開するか。
「auとWiMAXではマーケットが違う。Auは携帯電話のサービスだが、WiMAXはパソコンがベースで当面はノートブックがメインになるだろう。MID(モバイル端末)もそうだ。最初のうちは(パソコンに挿入する)データカードを販売していくことになるが、将来の発展を考えるとパソコンに初めから内蔵される時代に間違いなくなる。データ通信市場は、携帯で広げることも考えているし、UQでの展開も考えているが、エリアや料金の違いがある。どちらが有利かはお客が判断していくことになる。ただ、UQはパソコン、auは携帯。基本的にはそういう方向に行く」
――KDDIは出資しているだけでなくUQから回線を借りるMVNO(仮想移動体通信事業者)だが、どんなサービスを予定しているか。
「法人向けのデータカードがメインになる。ただ、WiMAXのサービスエリアはまだ狭い。WiMAXだけでは不十分という人のために、EVDO(携帯のデータ送信)とのデュアル(自動切換え)モードを出す」
――WiMAXのカバーエリアの拡大で、UQの設備投資のために追加出資の考えはあるか。
「当然、増やす必要があれば増やしていく。他社が比率をキープしたいならプロラタ(按分)でやることもあるし、いろいろなケースがある」
――既存の携帯事業者は、WiMAXの運営会社に3分の1以上出資できない制限があるが。
「UQは3分の1の出資制限があるので別の会社にせざるを得なかったが、もともとはKDDI自身がやりたかった。今の(優先株の注入)は仕方なくそうなっている。UQはうちの会社だと思っている」
――米グーグル(GOOG.O: 株価, 企業情報, レポート)による携帯向け基本ソフト(OS)を搭載した「アンドロイド」携帯端末の発売はいつか。
「2010年中には発売する。(実験的なものではなく)きっちりしたものを出す。どのくらいの数の端末を出すかは言う段階にはないが恐らく複数になる」
――携帯端末と通信料を分離した販売方式の導入が進んで、端末料金分を差し引く分だけ通信料が下がる傾向にある。
「シンプルコース(分離プラン)への移行によって、あと1年か2年の間はARPU(契約あたり月間収入)は減っていくだろう」
――音声ARPUが下がる一方、データARPUを引き上げるのが課題だが、どのように取り込んでいくか。
「データをたくさん使うお客のパーセンテージは大体決まっていて(課金の)上限に張り付いたままだが、ほとんどのお客がメールしかやらないなどの最低のデータ利用しかない。こうしたお客に魅力的なコンテンツを提供していく。あまり使わない人にどうやって使ってもらうか。ここを底上げしないとARPUは上がらない」
――今期の配当予想(1万1000円)は配当性向20%を下回っているが、予想よりも増配する予定はあるか。
「今までも通期の業績予想を出したとき、配当20%を割った配当予想を出したことが過去に何回もある。それで決算をやった結果、われわれがコミットしている配当性向20%を割れば、必ず20%を上回る配当性向に増配している。今回も決算の結果が業績予想どおりなら期末に(増配)することになる」
(インタビュアー:村井令二、根岸真由美、ロイター日本語ニュース 村井 令二)
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