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チリのカセロネス銅鉱山、年間経常利益500億円規模に=JX日鉱日石金属社長

2012年 03月 27日 21:37 JST
 
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[東京 27日 ロイター] JXホールディングス(5020.T: 株価, ニュース, レポート)の非鉄金属子会社、JX日鉱日石金属の岡田昌徳社長は27日、三井金属(5706.T: 株価, ニュース, レポート)との合弁会社を通じて開発を進めているチリのカセロネス銅鉱山が2014年に本格生産に入ることで、同プロジェクトは経常利益ベースで年間500億円規模の収益を上げるとの見通しを明らかにした。

また、昨年7月に事業化調査終了と開発入りの一時凍結を発表したペルーのケチュア銅鉱山については、2015年ごろに調査を再開し、2019年の生産開始を目指す考えを示した。ロイター・グローバル・マイニング・アンド・メタルズ・サミットで語った。

JX日鉱日石金属は、子会社で国内銅製錬最大手のパンパシフィック・カッパー(PPC)を通じて、2013年にカセロネス銅鉱山の操業を開始する予定。同プロジェクトの権益比率はPPCが75%、三井物産(8031.T: 株価, ニュース, レポート)が25%。PPCにはJX日鉱日石金属が66%、三井金属が34%出資している。PPCは昨年、人件費の増加などを理由にカセロネス銅鉱山の開発投資額が当初見込みの20億ドルに対し、5割増しの30億ドルになるとの見通しを発表したが、岡田社長は「当初の予想に比べコストは膨らむが、足元の銅価格は4年前に事業化調査で想定した1ポンド220セントを上回る380セント近辺で推移しており、収益も当初見込みを上回る」と語った。

また、14年にカセロネスの本格生産が計画通り軌道に乗った場合は、建設費の増加や人材不足などで開発入りを凍結したペルーのケチュア鉱山についても15年ごろから事業化調査を再開し、19年の生産開始を目指したいと語った。コストや収益規模は「カセロネスの約6割程度になる見込み」で、開発費用はカセロネスと同様、国際協力銀行(JBIC)やメガバンクなどからのプロジェクトファイナンスで調達したいとの考えを示した。

同社は銅生産に必要な鉱石の安定調達と価格上昇リスクのヘッジのため、自社権益分の割合を指す自山鉱比率の引き上げに取り組んでいる。岡田社長はカセロネスの本格稼働で同社の自山鉱比率は2014年に50%程度に高まり、既存鉱山の増産効果などで2020年頃には80%まで上昇するとの見通しを示した。同社を含む非鉄金属の製錬事業者は「上流」の資源開発を強化しており、JX日鉱日石金属も有望な開発案件があれば、今後も積極的に投資する考え。

<中国の在庫増加>

世界の銅需要の約4割を占める中国の景気減速の影響については「今は積み上がった在庫を消化している段階だが、5月にはかなり消化されるだろう」との見通しを示した。「民生需要は減っているが、インフラ需要は増えている。明らかに中国地場の電線メーカーの需要は落ちているが、社会インフラの需要があり、特に内陸部ではニーズが高い」という。今年の中国の需要見通しとしては、昨年の約800万トンに比べ「減ることはないが、大きな伸びは期待できない」と語った。

また、世界の電子材料の需給見通しとしては、「積み上がった在庫は消化されつつあり、下げ止まった感じはするが、春以降に急速に回復する感じはしない」とし、なかでも液晶関連の需要が弱いと指摘した。

<台湾に工場新設>

JX日鉱日石金属は、液晶などフラット・パネル・ディスプレイに使われるITO(インジウム・錫酸化物)ターゲット材で世界シェア4割程度を持っていたが、昨年の東日本大震災で生産拠点である磯原工場(茨城県北茨城市)が被災し、約3カ月間の生産停止に追い込まれた。岡田社長によると、生産拠点の分散化に向け、上工程の一部海外移転の可能性を検討してきたが、現在ITOターゲット材の下工程を行っている台湾で、2012年度に新工場を建設することを決めた。約20億円を投じ、桃園県龍潭に工場を新設する。既存の八徳工場の機能を移管するとともに、日本の磯原工場の上工程の一部も移管する。供給体制の多様化と円高対策が目的で、半導体の加工機能の一部も移管する可能性があるという。

岡田社長によると「電子材料は3分の2がドルベースの取引で、円高に対応するにはコストもドルベース化するしかない」。日本は円高だけでなく電力値上げも予定されており、世界で競争力を維持するには上工程の海外移管もやむを得ないと判断した。「社内には技術流出を懸念する声もあるが、コストをドル建てにするには海外でやらざるを得ない。技術が流出したら新しい技術を開発していけばいい」と述べた。

(ロイターニュース 大林優香 井上裕子;編集 田中志保)

 
 
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