〔焦点〕ラクイラ・サミットで出口戦略が議題に、準備通貨問題も協議か
[ラクイラ(イタリア) 2日 ロイター] 8カ国(G8)首脳は、8─10日に開催される主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)で、景気刺激策の出口戦略の時期や世界の準備通貨に関する提案を協議する予定。
地震の被災地ラクイラにサミットの舞台を変更したイタリアのベルルスコーニ首相は、途上国に焦点を当てた「節度と団結」を確認する会議になるだろう、と述べた。
ベルルスコーニ首相は、会議に参加する40の国・地域、および団体が「世界経済に占めるシェアは90%」とし、危機の最悪の部分は過ぎ去ったとの自信をサミットが醸成することを望む、と語った。
一方、世界的な金融危機に議題を絞った20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)の4月と9月の会議に挟まれたラクイラ・サミットが華々しい成果を上げる公算は小さい、と一部の外交官は指摘する。
深刻なリセッション(景気後退)に陥った世界経済を支えるために注がれた数兆ドルもの資金を金融システムから排出する「出口戦略」に関する協議の機が熟した際の経済の行方について、G8首脳は会議初日に協議する予定。
首脳はさらに、世界経済の将来の統治についても意見交換する見通しだ。
あるG8外交官は「ベルルスコーニ首相がラクイラで国際ビジネス行動規範を完成させることを期待すべきではないし、メルケル首相が(G20が開催される)ピッツバーグから成長憲章を手に帰国すると考えるべきでもない」として慎重な見方を示した。
会議2日目、G8首脳は中国やンドなど新興国の首脳とともにG14会合を行う予定。中国は世界の準備通貨に関する協議を議題に含めるよう求めている。
G8筋がロイターに明らかにしたところでは、中国は米ドルの支配体制が危機を悪化させたと主張し、新たな世界の準備通貨についての協議を望んでいる。中国の公式外貨準備高1兆9500億ドルの恐らく70%が米ドル建てであることから、市場はこの問題に神経質に反応している。
中国の何亜非外務次官は「今回の金融危機で、国際通貨システムの幾つかの欠陥が露呈した」と述べたが、同国がサミットでの新たな準備通貨に関する協議を求めたとの話については、聞いていない、とした。
<気候変動>
最も進展が明瞭なのは、12月にコペンハーゲンで開かれる国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)締約国会合で合意を目指す、「京都議定書」に続く新たな国際的な温暖化ガス削減目標への取り組みだ。
G8サミット初参加のオバマ米大統領は、温暖化対策のための主要経済国フォーラム首脳会合(MEF)の議長を務める。米国では下院が前週、温暖化ガスの排出削減目標を盛り込んだ温暖化対策法案を可決している。
MEFにはG8や新興国など16カ国と欧州連合(EU)が参加。これらの温暖化ガス排出量は世界全体の約75%を占める。
米国と欧州連合(EU)の姿勢の隔たりが狭まり、先進国による2020年までの温暖化ガス排出量の大幅削減を求める新興国の要求が満たされる見通しであるなか、気候温暖化をセ氏2度までに制限する目標をめぐる状況は改善している。
メルケル首相は、オバマ大統領の取り組みは「出来事の流れを変えるもの」であると述べた。サミット草案文書は、50年までの温暖化ガス排出量の50%削減目標を示唆している。
最終日である会議3日目、G8首脳はアフリカ9カ国の首脳を迎え、貧困・食糧問題を協議する予定。
(Stephen Brown記者;翻訳 山口 肇 編集;内田 慎一)
(hajime.yamaguchi@thomsonreuters.com; 03-6441-1779; ロイターメッセージング:hajime.yamaguchi.reuters.com@reuters.net)
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