再送:インタビュー:自力成長を志向、有望な投資機会あれば前向きに検討も=山口・BNYメロンAM社長
*この記事は、16日午後6時43分に配信しました。
[東京 16日 ロイター] 米金融大手バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)(BK.N: 株価, 企業情報, レポート)傘下のBNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの山口省吾社長は16日、日本における今後の拡大戦略について、基本的には自力で成長する「オーガニックグロース」を志向していく考えを示した。ただ「良い投資機会や連携の機会があれば前向きに考える」と述べ、買収や連携の可能性について含みを残した。ロイターとのインタビューで語った。
米金融大手シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)が進めている日興アセットマネジメントの売却交渉で、BNYメロンも入札に参加したとの一部報道について山口社長は「観測についてはコメントできない」とし、言及を避けた。
BNYメロンのアジア太平洋地域会長、クリス・スターディー氏は昨年10月、ロイターとのインタビューで、同社にとって日本を含むアジアでの成長余地は欧米より大きく、事業拡大を加速させるような買収や提携には前向きに取り組む考えを示した。日本では主力業務の資産運用と証券サービスの分野で提携の可能性があるとし、資本関係を含むケースも含まないケースもあるほか、合弁や買収など様々な形が想定できると語っていた。
世界的な金融危機を背景に欧米金融機関の合従連衡や資産運用子会社の分離が相次いでいる影響で、日本でも拠点の統合や売却が進み、国内運用業界でも勢力図が変化するとの見方も浮上している。山口社長は「(業界内で)いろいろな動きが出ており、自分達は自分達のやり方を考えないといけない」との認識を示したが、投資や連携の条件については「現状、特定の分野やビジネスをターゲットに考えているわけではない」と述べた。
<個人、年金、金融法人の3本柱>
同社は、BNYメロングループの資産運用部門BNYメロン・アセット・マネジメントの日本法人で、受託資産残高は3月末現在で7406億3400万円。リテール向けの国内籍公募投信や外国籍投信業務のほか、年金基金向け投資顧問業務や金融法人向け私募投信業務などを展開している。「昔はリテールビジネスが中心だったが、今は年金や金法など機関投資家向けビジネスも重要で、メインとなる3つの顧客セグメントすべてで商品やサービスを拡大することが今後の課題」という。
山口社長は今後の成長シナリオについて「市場全体の伸び率としては年金よりリテールの方が大きいが、弊社のビジネスには分散が必要で1つのセグメントに特化はしない。個人投資家は相場が上昇局面で追随して買うことが多いが、年金は相場の下落局面でも常に良い商品を探して乗り換えていくため、運用会社にとっては魅力的なセグメント」とみており、収益安定化のためにも投信と投資顧問の両輪で事業を拡大する考えを示した。
足元の投資家動向に関しては「個人も機関投資家もリーマンショック後にリスク許容度は落ちたが、投信市場で年初から大型の設定が相次ぐなど、若干リスクを取って行こうという動きが芽生えている」と指摘。08年度末にかけ投資商品を解約してキャッシュ化する動きが目立った機関投資家についても「金融危機後の新しいマーケットの中でどこに投資していくかについて検討を始めており、投資を再開してくると思う」と語った。
リスク投資への意欲を見せ始めた個人マネーを獲得するため、同社は今月末に外国籍投信「日興BNYメロン利回り債券3分法ファンド毎月分配型」を投入する。販売は日興コーディアル証券。ハイイールド債、新興国ソブリン債、転換社債型新株予約権付社債という3つの高利回り債券分野に分散投資し、高い利回りと値上がり益を狙うもので、「分配金、安定性、高利回りを求める投資家層を取り込みたい」という。
年金分野では、今年に入って年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)から外国株式アクティブの運用を受託したことが奏功し残高が拡大している。「日本ではBNYメロンの知名度はまだ低いが、GPIFの採用を機に他の年金からも外国株運用の引き合いが増えている」という。また、金法については、昨秋以降、オルタナティブ投資への回避姿勢を強めていたが、投資を再考する機運がみえ始めており、山口社長は、一定の検証期間を経たうえで投資再開の可能性があるとの見方を示した。
運用環境の悪化に伴う受託残高の減少を受け、日本に拠点を持つ外資系運用会社の間では昨年末から人員削減や戦略の見直しなどが相次いだが、BNYメロン・アセットは3月末の人員が69人で1年前の67人に比べ微増となった。山口社長は「金融危機でマーケットは変化したが、日本での事業戦略を変えるつもりはない。それぞれの顧客セグメントで取引を増やし、ビジネスポートフォリオの拡大を今後も続けていく」と語った。
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(ロイター日本語ニュース 大林優香記者 程近文記者;編集 村山圭一郎)
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