再送:〔株式スコープ〕10年3月期見通し、実績より上向き鮮明に・中国需要増と景気対策効果で

2009年 11月 2日 07:00 JST
 
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*この記事は10月30日午後4時15分に送信しました。

 <東京市場・30日>

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        |     経常利益の増減率     |    株価動向    |

  関連業種   ┿─────┬─────┬─────┼─────┬─────┿

         |上半期実績|下半期予想| 通期予想 | 前場終値 | 前日比 |

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食料品 |   ─4.8|  ─30.4|  ─17.4|  810.52|  ─2.46|

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化学  |  ─50.6|   28.4|  ─27.0│  785.91|  +10.35|

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鉄鋼  | 赤字転落|   ─8.1|  ─99.9|  668.35|  +17.25|

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電気機器| 赤字転落| 黒字転換| 黒字転換|  1270.51|  +29.46|

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輸送機器| 赤字転落| 黒字転換|   39.9|  1634.53|  +39.13|

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陸運  |  ─26.0|  ─41.3|  ─31.4|  1064.46|  ─1.90|

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海運  | 赤字転落|   28.8| 赤字転落|  499.57|  +1.34|

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*新光総合研究所の算出データをもとに作成。

*単位は%、増減率は前年との比較。

 水野 文也記者

 [東京 30日 ロイター] 2009年度上半期の決算発表が相次ぐ中、企業業績の

回復に手応えが感じられるようになってきた。中国の需要増加を背景にした輸出の復調や

政府による景気対策の効果が背景にある。ただ、企業関係者の中には需要の鈍化を読む向

きが多く、第4・四半期(10年1─3月)について慎重な見方が出ている。

 新光総合研究所がまとめた2010年3月期上半期(4─9月、第2四半期累計)決算

集計(東証1部・除く金融)によると、29日までに決算内容を開示した245社(対象

はデータ取得可能な金融を除く東証1部上場企業、全1201社で開示率は20.4%、

時価総額ベースの開示率は32.6%)の10年3月期業績見通しは、経常利益増減率は

26.2%減となっている。

 前期に続いて減益が想定されているものの、上半期の実績が72.0%減であることを

踏まえると、下半期は急速な回復が見込まれている。また、第1・四半期が84.7%減、

第2・四半期が57.5%減と上向きのトレンドが読み取れる状況だ。

 上向いてきた理由として大きいのは、中国の需要回復。中国向けの荷動きは海運業界の

業績にも反映されており「中国は鉄鉱石輸入について1─9月に前年比36%増、石炭は

1─8月に同1.5倍、大豆も1─8月に同2割増と荷動きが活発化している。中国の輸

入好調が維持されるかどうかが収益を左右するが、現時点でこの面での下振れ懸念はない」

(商船三井(9104.T: 株価, ニュース, レポート)の青砥修吾執行役員)という。

 海運業界は下方修正が目立ったが、これは「(新造船が投入が増えることによる)船腹

の供給過剰を意識したため」(日本郵船(9101.T: 株価, ニュース, レポート)の甲斐幹敏経営委員)で、中国向け輸送

を理由にはしていない。

 日米欧の景気動向が心配される中で、中国以外の新興国向けも伸びが感じられるように

なっており「本格的に需要が回復した中国に加え、インドネシアなど他の新興国でも回復

の兆しが出ている」(コマツ(6301.T: 株価, ニュース, レポート)の木下憲治CFO)との声も出ていた。

 さらに「各社の発表数字をみると、電機や自動車に上方修正が目立ったが、これは中国

以外でも、日本を含め各国政府による景気対策の効果が大きく寄与した」(エース経済研

究所・社長の子幡健二氏)という。

 新光経済研究所によると、直近に上方修正を実施した企業について、景気対策効果、商

品市況の回復、在庫調整の終了、コストダウンが寄与したと分析している。このうち、自

動車など輸送用機器に関しては、エコカー減税による自動車販売の促進やコス

トダウン効果を要因として挙げていた。

 コストダウンについては「高い時期に購入した原料がなくなり、下半期から原料安メリ

ットが寄与する」(神戸製鋼所(5406.T: 株価, ニュース, レポート)の藤原寛明専務)といった声も出ている。

 ドル安/円高に振れる為替動向が収益を圧迫するケースも目立つものの、対ユーロでは、

ドル/円に比べると円安傾向にあるため、ユーロ圏向け売上高が全体の4割を占めるマ

キタ(6586.T: 株価, ニュース, レポート)のように、ユーロ高/円安を理由に上方修正する例もあった。

 これら今回の決算シーズンで象徴的だったのが、ホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)だ。同社は、通期業績

予想を上方修正するとともに世界四輪車販売台数を329万5000台から340万台に

引き上げたが、その内訳は「中国7万台、日本3万台」(近藤広一副社長)という。需要

好調な中国向けと政策効果が現れた国内向けが貢献する形となる。

 他方、景気対策の直接的な効果が及ばない内需型企業のグループにさえない決算が目立

つ。「設備投資は日本国内での動きが見えない」(安川電機(6506.T: 株価, ニュース, レポート)の武井紘一副社長)

「唯一の下振れリスクがあるのは日本国内向け。(公共事業削減などで)来年度はマイナ

スの影響が出る可能性もある」(日立建機(6305.T: 株価, ニュース, レポート)の桑原信彦専務)などの声が出ていた。

 景況感の低迷は鉄道業界に顕著で、新幹線の利用が減少。「のぞみの利便性向上などに

努めたものの、景気低迷の影響が響いた。とりわけ、4─6月については新型インフルエ

ンザの影響が大きく、これが大幅な減収要因になった」(JR東海(9022.T: 株価, ニュース, レポート)の金子慎常務)

という。

 小田急電鉄(9007.T: 株価, ニュース, レポート)の早野晃司常務は「ロマンスカーの利用客が減少している。比較的

景気の影響を受けにくいとされる鉄道事業にも、今回の景気悪化はインパクトを与えた」

と語っていた。

 食品業界からは「大手スーパーなどで惣菜品の価格が劇的に下がり、環境が厳しくなっ

ている。消費者の節約志向の高まりから、小売り業が低価格販売を加速する中、その対応

が遅れから下方修正を余儀なくされた」(ニチレイ(2871.T: 株価, ニュース, レポート)の中村隆執行役員財務部長)

ところもあった。

 回復が鮮明になってきた輸出型産業も第4・四半期(1─3月)以降については、慎重

な見方が出ている。上半期は想定よりも上振れとなりながらも、通期見通しを据え置いた

企業も目を引く。

 シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)の浜野稔重副社長は、下半期の見通しについて「10―12月期は最

大の商戦期でボリュームが上がるが、1―3月は厳しく織り込んでいる」とした。その理

由は「日本のエコポイント制度は年度内は続くが、世界各国の経済政策が疲弊してくる懸

念がある」としている。

 TDK(6762.T: 株価, ニュース, レポート)の上釜健宏社長は「中国が良くてもそれほど変わらない。やはり全体的

な需要は米国がけん引する。米国が好調なら欧州にも波及するだろう。まだ回復基調にあ

るとは感じられず、今年のクリスマス商戦がカギを握る」とするなど、慎重な姿勢を崩さ

ない声も少なからず出ていた。

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(ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)

 
 

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