再送:〔株式スコープ〕大手ゼネコンの収益環境、景気悪化と公共事業削減で厳しさ増す

2009年 11月 13日 07:42 JST
 
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*以下の記事は12日午後6時38分に配信しました。

    <東京市場・12日>

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  関連銘柄     |  終値  | 前日比 |利益増減|売上増減|受注増減|

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大成建設(1801.T: 株価, ニュース, レポート)    |   172円| 変わらず|黒字転換| ─9.2%|─12.6%|

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大林組(1802.T: 株価, ニュース, レポート)     |   345円|  +3円|─25.1%|─10.3%|  0.1%|

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清水建設(1803.T: 株価, ニュース, レポート)    |   339円|  ─13円|─10.4%|─15.2%| ─9.0%|

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鹿島(1812.T: 株価, ニュース, レポート)      |   213円|  ─1円|  6.6%|─15.3%|─14.2%|

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*利益増減は連結営業利益増減率。売上、受注ともに2010年3月期見通しの増減率。

*売上は連結売上高、受注は単体の建設工事受注額。

 水野 文也記者

 [東京 12日 ロイター] 大手ゼネコン4社(大成建設(1801.T: 株価, ニュース, レポート)、大林組(1802.T: 株価, ニュース, レポート)、

清水建設(1803.T: 株価, ニュース, レポート)、鹿島(1812.T: 株価, ニュース, レポート))の収益環境は厳しさが増していきそうだ。景気悪化を

背景に民間工事の低迷が続きそうなほか、一時は収益を下支えすると期待されていた公共

工事も、政権交代によって削減が加速する懸念が生じている。公共工事は減少が止まらな

い可能性があり、事業の再構築も課題として挙げられていた。

 各社建設工事の10年3月期単体受注見通しは、大成建設が従来予想1兆1500億円

から1兆0300億円に、大林組が1兆3000億円から1兆1750億円に、清水建設

が1兆2500億円から1兆1500億円にそれぞれ引き下げた。下方修正した理由は

「民間工事が伸びない上に、ある程度期待していた公共工事も政権交代によって状況が変

わったため」(大成建設の阿久根操専務)という。

 受注見通しを据え置いた鹿島にしても、「当社が優位に立つとみられる案件が下半期に

集中するので据え置いた。ただ、得意先が発注を先延ばしするといった話も聞くため、受

注時期について後ずれする案件が生じる可能性もある」(染谷香専務)と慎重な見方を示

す。

 民間工事の減少は、景気悪化で企業の設備投資が落ち込んだことが大きい。とりわけ目

立つのが製造業向けの減少だ。これについて清水建設の黒澤成吉専務は「電機業界を中心

に民間工場の建設工事が大幅に落ち込んだ」と指摘する。同社では上半期の受注高のうち

工場関連が前年同期比で80%ダウン。業種別では電気機械向けが同92.6%減、輸送

機器が同75.8%減と、輸出関連企業を中心とした設備投資抑制が直撃する形となって

いる。その結果、採算が高くなる特命工事の比率は43.6%と前年の56.4%から大

幅に低下した。

 業界では民間工事について「ここ1─2年は厳しい状態が続く」(清水建設の黒澤専

務)と指摘され、建設業界全体の見通しについては「どんなに早くても回復に向かうのは

来年度以降」(大成建設の阿久根専務)との声も出ている。

 これまでなら、景気が落ち込む場面では公共投資の拡大が収益のサポート要因になって

いた。実際に、期初の段階では、補正予算の執行によって官公庁向け工事が収益の下支え

役になると期待され、前年下半期は各社とも官公庁工事が拡大していたが、政権交代で様

相は一変。「今のところ受注した案件で中止になった工事はないが、八ツ場ダムの例を見

ても楽観視できない。世の中は変わると思っている」(清水建設の黒澤専務)という。

 これについて鹿島の染谷専務は「国の事業で中止となるものを見越し、上半期とは明ら

かにターゲットにする案件は変わってきている。なくなる工事を狙っても仕方がない」と

コメントしていた。

 中期的な公共工事の展望も「削減は今以上に進む可能性もある。構造は変わった」(清

水建設の黒澤専務)と業界は半ば諦めた様子。「国の方針で残り、絞り込まれた工事につ

いて、受注に全力を注ぐ」(鹿島の染谷専務)といった声もあるが、「国内公共事業が期

待できない大型の土木工事については、先行きは海外展開をテーマにする考え。北米や豪

州などでその準備をしている」(大林組の原田昇三専務)、「市場の厳しさに対応する方

策を考えることが必要。海外はその選択肢で、リスクを計りつつ取り組む」(清水建設の

黒澤専務)といった声も聞かれ、事業再構築の動きも出そうだ。

 

 もっとも、公共事業削減によって大手各社が一気に苦境に陥る雰囲気ではない。たとえ

ば、現在進められている事業仕分けで、農道整備が廃止対象としてクローズアップされた

が、「農道などは大手は手掛けておらず、地方の建設会社に影響が大きいのではないか。

むしろ、都市型プロジェクトが遂行されそうなことは大手に追い風。羽田空港のハブ化

などは期待材料になる」(清水建設の黒澤専務)という。

 大林組の原田専務も「今後の公共工事は都市型プロジェクトやメンテナンス工事を狙う

ことになる」とした上で、「耐震補修工事などは増えるとみられるが、たとえば道路は自

動車を動かしながら工事をするため、高度な技術が必要になり、この面で大手は優位に立

つ」と語っていた。

 建設資材の価格下落で足元の利益率が向上しているほか、金融システム不安の後退で発

注者の支払い条件も改善するといった明るい材料もある。資金面においては各社とも危機

が言われた3月末に意識的にキャッシュを厚めにしていたが、このところの落ち着きで有

利子負債を減らす動きもあった。

 数量的には厳しいながらも「一定水準以上の採算を確保できる案件を受注する」(鹿島

の染谷専務)姿勢を取り続ければ、ある程度の落ち込みはカバーできそうな状況。「最低

でも1年間は厳しい状態が続く」(清水建設の黒澤専務)とみられる中、民需の上向きを

待ちつつ、公共事業削減への対応策をどう打ち出すが中期的な展望を占う上での鍵になる。

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 (ロイター日本語ニュース 編集 山川薫)

 
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