再送:〔焦点〕証券2社合併で注目されるみずほの戦略、日興との提携強化の行方がカギ
*以下の記事は10日夜に配信されたものです。
[東京 10日 ロイター] みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)の傘下証券2社の合併で、みずほが日興コーディアルグループ8603.Tとの提携強化に踏み出すかが注目を集めている。みずほコーポレート銀行は投資銀行業務の拡大を目指しており、日興CGを連結子会社化するのではないかとの思惑も浮上しているが、今のところ高いハードルが立ちふさがっており、支援要請を受けているみずほが、日興CGへの出資比率をどの程度まで引き上げ、提携関係のさらなる強化に踏み込むかどうかが焦点になりそうだ。
<当面は新光証券の販売力に期待>
旧日本興業銀行系の新日本証券と和光証券が合併して誕生した新光証券(8606.T: 株価, ニュース, レポート)と、みずほFGの前身の旧日本興業銀行、旧富士銀行、旧第一勧業銀行のそれぞれの子会社証券が合併して誕生したみずほ証券との統合は「みずほCBの斎藤宏頭取がトップに就いて以来、念願の案件だった」(みずほ関係者)という。
草間高志・新光証券社長は旧興銀の取締役から新光証券に移っており、みずほCBの斎藤頭取とは旧知の間柄。今回のみずほ証券との合併についても「投資銀行業務をグローバルに展開するフルラインの総合証券を目指す」との思いは同じだった。
しかし、みずほグループ関係者の多くは、今回の統合がどの程度のシナジー効果を生むかについては未知数とみている。「みずほ証券はホールセール型証券、新光証券はリテール型証券。この両社が統合することで、投資銀行業務にどの程度の成果が表れるのかは分からない」(別のみずほ関係者)という。「新光証券は国際業務に強い訳でもない。また、大手機関投資家を抱えている訳でもない。みずほ証券が獲得したIPO(新規株式公開)や増資の引き受けなどの販売部隊としての役割程度しか担えないのではないか」(大手行幹部)といった冷めた見方をする向きもいる。
それでもみずほCBの関係者は「これまでCBには、みずほ証券と新光証券という2つの証券がぶら下がっていた。これが1つになり、CBと一体化し連携できるようになることは、顧客取引の上で大きなメリットを生む」としている。
<米国での投資銀行業務で日興CBと連携の可能性も>
今後の焦点は支援を要請されている日興CGへの対応に移った。日興CGと提携関係にあるのはみずほCBで、今回のグループ証券の統合により、日興CGの受け皿になりやすくなったとの見方も出ている。あるみずほCB関係者は「できれば日興CGを連結子会社化してしまいたいというのが斎藤頭取の本音だろう」という。しかし、問題はそれほど簡単ではない。
みずほグループ内では「みずほCBが日興CGを子会社にすると、みずほ銀行とのバランスが大きく崩れる。これはグループ経営としては非常に問題がある」(みずほFG関係者)との声が強い。
その上、日興CGに4.94%、傘下の日興シティグループ証券に49%を出資するシティグループとどのように連携を取るのかという問題もある。
さらに日興CGを連結子会社化するためには相当の資本が必要になるが、みずほFGは2008年7月に1兆円増資を行った時の優先株が普通株に転換するため、株式の希薄化を避けるために自社株買いを予定している。こうした中で日興CGを子会社化するための資金手当てをどうするのか、といった点も出てきている。
しかし、積極派の中からは「みずほとシティは、昔から関係は良好。日興CGの件についても、うまく提携関係を築ける」との声や、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)<0#8306=JFI>は、米国での金融持ち株会社の資格がないため、米国内で日興CGと連携して業務が行えないが、「みずほCBは資格を取得したことから日興CGと連携して業務が行える。このメリットは大きい」といった指摘が出ている。
結局は「日興CGへの出資比率をどの程度まで引き上げれば、みずほが日興CGの経営のグリップを握れるか」(みずほFG関係者)という点が、今後の行方を占う上で注目されそうだ。
あるみずほ関係者は「日興CGの株式の51%を取得するというのは、実現性が乏しい。落とし所は、日興CGが上場を維持するのを前提に出資比率を現在の4.89%から10%程度に引き上げ、さらにバックアップラインを設定することなどで信用補完を行った上で、より強固な業務提携関係を結ぶといったものではないか」との見通しを述べている。
© Thomson Reuters 2009 All rights reserved.



日本
米国