再送:〔FEDフォーカス〕出口戦略に立ちはだかる議会の圧力、FRB債発行案は見送りか
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[ニューヨーク 9日 ロイター] 非常時モードの金融政策を平時に戻すための「出口戦略」。すでに米連邦準備理事会(FRB)は幾つかの選択肢を示しているが、ワシントンのムードは、FRBにそれ抜きで出口戦略を立てるよう迫っているように見える。
FRBが出口戦略の1つに挙げているのが、FRB債の発行。銀行の過剰準備金を吸い上げる手段とする。
しかし、FRBに独自の債券を発行する権限を与えることについて、議員の支持を得るのは難しそうだ。議員の間では、FRBの積極的な金融危機対応が税金を危険にさらしかねないとの警戒感が出ており、とてもFRBの権限を強化しようという雰囲気ではない。
RBSグリニッチのエコノミスト、ステファン・スタンレー氏は「皆と同じようにFRBも債券発行権限を得られそうにない、と状況分析できると思う」と述べている。
FRB幹部らが示しているもう1つの措置は、FRBに代わって財務省が債券を発行すること。しかし、これを実行すると米国債の発行額が議会が定めた上限に近づく。議会は上限の引き上げを嫌がっている。また、金融政策の効果を削ぐ恐れもある。
RBSグリニッチのスタンレー氏は、FRBは他の争点に集中したいと考えているとみている。その1つが議会に提出されたFRBの独立性を弱めかねない提案。「おそらく今、FRBにとって大切なのは守りのプレー」とスタンレー氏は指摘する。
バーナンキ議長、ニューヨーク(NY)連銀のダドリー総裁を含め、FRB幹部は、約2兆ドルに膨張したバランスシートを管理する手段はたくさんあると述べている。
ダドリーNY連銀総裁は、FRB債発行権限を「ベルトとサスペンダー」、あればいいが絶対必要というわけではないもの、と表現した。
しかし、投資家の中には、ひとたび景気が回復してもFRBがスムーズに金融政策を転換できず、インフレを引き起こすのではないかと懸念する向きもいる。
FRB幹部は、こうした懸念を和らげるため、近いうちに緩和政策を修正する具体的な方針を説明しなければならなくなるだろう。
しかし、出口戦略という複雑な問題を論じるには、市場にFRBが景気支援目的の措置を解除しようとしているという印象を与えることなく、有効な戦略を立てていると納得させる必要がある。FRBには試練となりそうだ。
<出口戦略の微調整>
FRBは、金融市場を機能させるため、数々の非伝統的措置を打ち出してきた。
バーナンキ議長もダドリー総裁も、金融システムに過剰な流動性があっても金融引き締めを始めることは可能との見解を示している。
両者が挙げたのは、銀行がFRBに預け入れる中銀預金への付利。これなら、金利上昇局面でも銀行は余ったカネを貸し出しでなく中銀預金に預けようとする。
しかし、中銀預金への付利には落とし穴がある。米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.P: 株価, 企業情報, レポート)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.P: 株価, 企業情報, レポート)は付利の対象外になっているからだ。FRBが昨年秋から始めた大規模な資金供給、短期金利押し下げ努力を阻害した一因でもある。
ただ、この落とし穴をふさぐ策はある。ファニーメイとフレディマックがFRBから債券を買って資金を提供するリバース・レポを行うことだ。現在、リバース・レポの適格担保は米国債に限定されているが、ファニーメイやフレディマックが発行する債券も対象になる可能性がある。
リバース・レポが補完的役割を果たせば、中銀預金への付利を出口戦略とすることができる。同様の措置は、すでに欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中銀)なども実施している。
<創造的な方策>
FRBは現在、必要となれば引き締めに踏み切れるようにさまざまな手段を検討している。
シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は9日、「われわれはこれまでと同様、これからも創造的でいられる」と述べた。
FRBは緊急資金供給プログラムを積極的に統廃合したり、プログラムの一環で買い入れた証券の一部を売却することも可能。買い入れ証券の売却は、すでにFRB幹部が最後の選択肢になると示唆している。
ゴールドマン・サックスのエコノミスト、エド・マケルビー氏は最近のリポートで、他にFRBがとり得る策として、償還期限の到来した証券をロールオーバーしない、金融危機前から保有している米国債を売却する、一部の証券をリバースレポの担保とすることなどを挙げている。
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