〔クロスマーケットアイ〕政局不透明で海外勢手控え、市場に方向感なし

2009年 07月 2日 12:24 JST
 
記事を印刷する |

<東京市場 2日>

━━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━┯

日経平均   |国債先物9月限 | 国債301回債  |ドル/円(12:50) |

━━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿

   9940.12円 | 138.03円 | 1.350% | 96.80/82円 |

━━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿

+0.19円 | -0.15円 | +0.010% | 96.60/66円  |

━━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━━━┷━━━━━━━━━┷

注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。

 [東京 2日 ロイター] 2日の東京市場は、株、金利、外為市場ともに小動きで推

移している。大きな手掛かりがない上に、麻生太郎首相が自民党役員人事を断念するなど

政局の不透明感が急速に増しており、海外勢の手控えが鮮明になっているという。

 <1万円が壁に>

 株式市場では、日経平均.N225が前日終値を挟んで方向感の定まらない動きとなって

いる。前日の米国株が堅調な経済指標を好感して上昇したことから、朝方は輸出株を中心

に買いが先行したものの、後が続かなかった。「日経平均は1万円を超えると国内法人等

の戻り売りに押されることが前日の売買で確認された。1万円がカベとして意識されつつ

ある。ここまでくると7月後半からの4―6月期決算を見極めたいとのムードも強くなる」

(準大手証券トレーダー)との見方が出ている。

 国内経済は過剰設備や過剰雇用を抱え、財政政策の効果が切れる2010年以降の失速

懸念も浮上、今後の政策が経済に大きな影響を与えるとみられているが、「政局がまった

く不透明で海外勢が売買を手控えている」(外資系証券)という。

 2日寄り前に発表された6月21日─6月27日の対外対内証券売買契約等の状況(指

定報告機関ベース)では、対内株式投資が1951億円の資本流出超となり、海外勢が日

本株を売り越したことが判明した。

 ただ、ある準大手証券のストラテジストは、タイでの混乱以降、アジアにおける政治面

でのカントリーリスクに欧米投資家は再び注目していると指摘しつつ「日本においては安

倍晋三元首相、福田康夫前首相と2代続けて1年ほどで政権を投げ出したのに、大きな混

乱はなかったし変化もなかった」と指摘。さらに「そのことで特殊な国だとみているよう

だ。官僚支配が背景にあり、政権が交代しようと、大きな変化はないと予想しているのだ

ろう。政治の混乱は、本来は売り要因だが、日本ではそれほど材料視されていない」と述

べている。

 <実体経済の足取りに懸念の声>

 こうした政治要因に加え、実体経済への警戒感も出始めている。みずほ証券・投資情報

部マーケットアナリストの高橋幸男氏は「1日の米ISM製造業景気指数、日銀短観6月

調査のいずれも、改善方向にはあるが、改善幅は期待したほどではなかった。ファンダメ

ンタルズに対する市場の期待先行で株価は上昇してきたが、今後は実体経済の確認にシフ

トしていくことになる」とみている。

 また、ある邦銀関係者は「景気回復に向けたモメンタムは、期待していたようには強く

ないのではないか。いずれそうした見通しを株価が織り込んでくる可能性がある」と述べ

た。

 <10年債入札前に様子見>

 10年利付き国債の入札を前に、円債市場はこう着感が強まった。国債先物9月限は小

反落して寄り付いた後、入札前のヘッジ売りも意識され軟調。引けにかけて下げ足を速め、

9月限は前日比15銭安の138円03銭と前場の安値で午前の取引を終えた。現物市場

も長期ゾーンは上値が重く、10年債長期国債利回り(長期金利)は同1ベーシスポイン

ト(bp)高い1.350%を付けている。

 財務省によると、10年債の表面利率(クーポン)は前回債から0.1%引き下げの

1.4%。発行額は前回までの1兆9000億円から2兆1000億円に増額され、今回

の入札が実質的に、投資家の金利見通しや需要の強さ、需給を占うイベントとなる。

 中期ゾーンまでは銀行勢、超長期ゾーンは生保や年金の潜在的な需要がある一方で、長

期ゾーンは明確に投資家の需要が掴めないとの見方がコンセンサスになっている。今回の

増発で長らくタブー視されていた2兆円超えの発行となり、警戒感はくすぶる。 

 BNPパリバ証券・シニア債券ストラテジスト、山脇貴史氏は「今後の発行増加は、銀

行勢の預金増加などで充分に賄える可能性が高く、超長期債に関しては7─9月実質、増

発とはならない。また、前日発表されたGPIFの2008年度の投資状況を見ても、昨

年11月以降、円債には新規マネーが入ってきておらず、既に需給サポート要因ではなく

なっている。年金の新規マネーがなくとも、充分に需給が保たれている」との見通しを示

している。

 <米雇用統計まで動けず>

 外為市場では、海外市場でのドルの下げが一服。アジア時間に入り上下値幅は96円半

ばをはさんで34銭と、狭いレンジ取引になった。きょうは海外時間に6月米雇用統計と

欧州中央銀行(ECB)理事会というイベントを控えて「短期筋以外には大きな動きはみ

られない」(国内銀行)という。

 また「96.55円付近に大量のオプションがある」(外銀)ことを指摘する声も出て

いる。「オプションを意識して、96円半ばで値動きが狭まっている」(都銀)という。

 ユーロ/円EURJPY=は136円後半から前半へと弱含んだ。きのう海外市場で上昇し

たあとのポジション調整売りが出たという。「米雇用統計や欧州中央銀行(ECB)理事

会を控えて新たなポジション構築はできない」(都銀)との声が聞かれた。

 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦;編集 吉瀬邦彦)

(kazuhiko.tamaki@thomsonreuters.com;03-6441-1848;ロイターメッセージング:

kazuhiko.tamaki.reuters.com@reuters.net)

 
 

株価検索

会社名銘柄コード
 

ロイターオンライン調査

写真

メセナ活動は利潤を追求することのみを念頭に置けば「無駄」とみることもできる。しかし、「無駄」が世の中を豊かにする例もないとは言えない。  ブログ 

  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率