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独墜落機の副操縦士は故意に降下か、過去に「うつ病」の報道も
2015年3月27日 / 01:57 / 2年前

独墜落機の副操縦士は故意に降下か、過去に「うつ病」の報道も

 3月27日、独旅客機事故で、故意に機体を墜落させたとみられているアンドレアス・ルビッツ副操縦士(写真)が、6年前に「深刻なうつ病」を患い、精神療法を受けていたと独ビルト紙が報じた。写真はロイターTVの映像から(2015年 ロイター)

[ベルリン/パリ/セーヌレザルプ 27日 ロイター] - 乗客乗員150人全員が犠牲となった格安航空会社ジャーマンウィングスの旅客機事故で、故意に機体を墜落させたとみられている副操縦士が、6年前に「深刻なうつ病」を患い、精神療法を受けていたと独ビルト紙が27日報じた。

フランスの検察当局は、墜落機から回収されたボイスレコーダーを解析した結果、アンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が機長をコックピットから閉め出し、同機を故意に降下させ墜落させた可能性があると26日発表したが、その動機は明らかにされていない。ドイツの捜査当局は同日、モンタバウアにある副操縦士の実家を家宅捜索。証拠として、コンピューターなどを押収し、動機の解明に向けた捜査を開始した。

ビルト紙は内部資料やジャーマンウィングスの親会社であるルフトハンザ(LHAG.DE)の関係筋から、副操縦士が計1年半、精神療法を受けた経験があると報道。これら関係資料は、ドイツ当局が調べた後でフランスの捜査当局に渡されるという。

仏マルセイユ検察当局者は会見で、副操縦士の行動の動機を推測することはできないとした上で、「故意に航空機を破壊しようとしたようだ」と語った。また、「機長がコックピットのドアを壊そうとした音が聞こえる」とし、機長は恐らくトイレに行くためにコックピットを離れたとの見方を示した。

この会見に先立ち、ドイツの州検察当局は、墜落時にコックピットにいたのは操縦士1人だけだったと発表。独仏の検察当局は、副操縦士はテロリストのリストには載っておらず、「テロ行為」だったと考える根拠はないとしている。

<副操縦士の地元に衝撃>

ルビッツ副操縦士の地元モンタバウアには、今回知らせを受けて衝撃が走った。副操縦士が免許を取得した飛行クラブのメンバーは「言葉が出ない。彼を知っているだけに想像すらできない」と動揺を隠せない様子だった。

副操縦士の性格についてこの知人は、「楽しい男だった。時に物静かな一面を見せていたかもしれないが、他の青年と変わらなかった」と話した。親しみやすく、悪意を持っていたようには見受けられなかったとの声も聞かれた。

副操縦士のフェイスブックのページからは、ハーフマラソンに参加したり、ポップ音楽やクラブに興味があったり、米サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジを訪れたりと、活動的なライフスタイルを送っていたことが伺える。

ルフトハンザによると副操縦士は2013年9月、ジャーマンウィングスに入社、操縦時間は630時間だった。一方、機長の操縦時間は6000時間超で、親会社のルフトハンザに10年間勤務していた。

3月26日、マルセイユ検察当局は、ドイツ機墜落事故で副操縦士が故意に墜落させた可能性を指摘。写真はエアバスA320型機のフライトシミュレーター内部で、操縦室のドア開閉ボタンを操作する人。オーストリアのウィーンで同日撮影(2015年 ロイター/Leonhard Foeger)

また、副操縦士は6年前、数カ月間訓練を休んだが、飛行に必要なすべての検査に合格したと明らかにした。

カールステン・シュポア最高経営責任者(CEO)は、訓練を休むことは特異でないと説明し、乗員の採用は非常に慎重に進めており、心理面の審査を受けさせていると強調。「どのような安全規制であれ、条件をいくら高く設定しても、実際にわれわれの基準は信じられないほど高水準だが、こうした事故が発生する可能性を排除する方法はない」と語った。

ルフトハンザなどによると、コックピットのドアは暗証コードを使って開けることができるが、コックピット内からブロックすることも可能という。

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同検察当局は音声記録では「最後の瞬間になって叫び声が聞こえた」と説明し、乗客の大半は機体が地面に衝突する直前まで墜落の危険性に気付かなかった可能性も指摘した。

飛行経路を捕捉するウェブサービス「フライトレーダー24」は、墜落機の自動操縦装置を、設定可能な最低高度である100フィートに何者かが突然変更したことを明らかにした。衛星データの解析によると、高度が設定された9秒後、機体の降下が始まったという。同機は約6000フィートの高度で墜落している。

<対応急ぐ航空各社>

今回機長がコックピットを離れた際に事故が起きた可能性が強まっていることを受け、航空各社では、乗員2人が常に操縦室内にいることを義務付ける動きが相次いでいる。米国以外の多くの国では、トイレに行く際など片方の離席は認められているのが現状だ。

エア・カナダ(AC.TO)、格安航空会社(LCC)のノルウェー・エアシャトル(NWC.OL)、英イージージェット(EZJ.L)、独エア・ベルリン(AB1.DE)は直ちに、2人の操縦士が常にコックピット内にいるよう定めたと明らかにした。エア・ベルリンによると「顧客から懸念の声が多く寄せられた」という。アイルランドのLCC、ライアンエア(RYA.I)は既に義務化していた。

一方、ルフトハンザは義務付けの必要はないと表明。カールステン・シュポア最高経営責任者(CEO)は記者らに対し「今回は特殊な事例であり、規定変更の必要があるとは考えていない。ただ、専門家らと検討はする」と述べた。ツイッターではこれを批判し、義務化を求める意見が挙がっている。

*情報を追加しました。

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