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コラム:ドル高・米金利上昇、米株の「耐性」が世界市場を左右
2016年10月7日 / 10:21 / 1年前

コラム:ドル高・米金利上昇、米株の「耐性」が世界市場を左右

 10月7日、ドル高と米金利上昇が、直近の市場で続いている。強めの指標を背景に年内の米利上げを見込む動きが活発化しているためだ。こうした中で米株は上昇基調を維持しているものの、さらに米金利が上がり出した場合、果たして持ちこたえることができるのか。仮に米株が下げ基調に転じると、リスクオフ心理が優勢になって対ドルで円高が進みかねない。写真はニューヨーク証券取引所、3日撮影(2016年 ロイター/Lucas Jackson)

[東京 7日 ロイター] - ドル高と米金利上昇が、直近の市場で続いている。強めの指標を背景に年内の米利上げを見込む動きが活発化しているためだ。こうした中で米株は上昇基調を維持しているものの、さらに米金利が上がり出した場合、果たして持ちこたえることができるのか。仮に米株が下げ基調に転じると、リスクオフ心理が優勢になって対ドルで円高が進みかねない。

米株の金利上昇への「耐性」が、世界的な金融・資本市場を左右しそうだ。

<強めの雇用統計前提に、米長期金利上昇>

6日のNY市場では、10年米国債利回りUS10YT=RRが一時、1.74%台まで上昇した。7日発表の9月米雇用統計が事前のアナリスト予想を上回って強くなるとの見方が広がり、年内の米利上げ観測が広がったためだ。

ドル/円JPY=EBSも一時、104円台に上昇。原油価格(WTI先物11月限)CLc1が約4か月ぶりに1バレル=50ドル台を回復し、リスクオン心理が台頭。米株も今のところ堅調地合いを維持し、ダウ.DJIは前日比小幅安ながら1万8260ドル台となっている。

このまま年内米上げを想起させる強めの米経済指標が出て、株高・ドル高・米金利上昇の展開が続くのかどうか──。

その答えは、米株がドル高と金利上昇に耐えられるのかどうかにかかっている。年内に昨年12月に続く2回目の利上げへと米連邦準備理事会(FRB)が踏み切った場合、過去の経験則では、2度目の利上げ直後に、株高と金利高が並立する。

しかし、今回は2度目の利上げを決断するまでに時間がかかり過ぎ、米景気サイクルは、すでにピークアウトしているのではないかとの見方が少なくない。

また、生産性の伸びが大幅に鈍化し、賃金の伸びも芳しくない。潜在成長率と中立金利の低下懸念も、FRB内ですら公然と語られている。

米経済に連続利上げを吸収する「活力」があるのかどうか、その点が問われていると指摘したい。

<米株下落なら、リスクオフ優勢に>

だからこそ、米長期金利が足元の1.7%台から1.9%台まで上がり、2%が視野に入ってくるようになっても、米株高が持続できるのかがポイントになる。

もし、金利高とドル高に耐えられず、急落するような場面が来た場合、現在の「緩やかなリスクオンムード」は、一転してリスクオフムードになる可能性がある。

リスクオフ相場に変化した場合、東京市場は円高基調への逆戻りと株安リスクの増大に直面するだろう。

日銀が上場投信(ETF)購入額を6兆円に増額させて以降、日経平均.N225の下値リスクは大幅に後退し、1万6000円台を維持してきた。

ただ、まとまった日本株売りが出てきた場合、日銀が防戦するのは「なかなか難しい」(国内銀関係者)とみられている。

<絡む米大統領選の終盤情勢>

その意味で、米株が持ちこたえてリスクオンが11月の米大統領選直前まで継続するのか、それとも米株急落をきっかけにリスクオフになるのかは、東京市場にとっても「天国」と「地獄」ほどのギャップを生むことになる。

そして、その行方に決定的な影響を与えかねないのが、米大統領選の終盤情勢だろう。足元の株高の背景の一つにも、第1回テレビ討論終了後のクリントン民主党候補優勢という情勢判断もあるとみられている。

米雇用統計発表後、東京市場は3連休に入る。11日の市場が始まった段階で、リスクオン相場が維持されていれば、ドル高/円安の流れも手伝って、日経平均.N225が1万7000円台に乗せる流れになるだろう。

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