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焦点:ドル円戻り基調、米追加利上げ観測 リスクオン見方は少数
2016年3月23日 / 09:51 / 2年後

焦点:ドル円戻り基調、米追加利上げ観測 リスクオン見方は少数

[東京 23日 ロイター] - ドル/円JPY=EBSが戻り基調となっている。米連邦準備理事会(FRB)高官によるタカ派的な発言が相次ぎ、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に後退した早期追加利上げ観測の揺り戻しが意識されている。ただ、これを口実にドル売り/円買いポジションの巻き戻しが出ているとの見方も根強い。

 3月23日、ドル/円が戻り基調となっている。写真はスクリーンを見つめる外為取引会社の従業員、都内で2月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

先行きリスクオンに傾斜すると楽観視する声は少なく、世界経済の動向をにらみながら神経質な展開が続きそうだ。

「ドル/円の下値は、徐々に固まってきている印象がある。ただ、上値追いに自信が持てるわけでもない」と、国内金融機関の為替ディーラーは指摘する。

前週のドル/円は、ドル売りの流れが強まり、一時110.67円をつけて年初来安値を更新した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果について、ハト派色が強いとの受け止めが出たためだ。

それが今週は、値を持ち直してきている。株価や原油価格といったリスク資産が落ち着き、FRB高官からタカ派的な発言が相次いだことで、地合いの改善につながっていると見られている。

米追加利上げについて「早ければ4月末に予定されるFOMCで、実施される可能性もある」(米アトランタ地区連銀のロックハート総裁)と、市場の織り込みより早い追加利上げの可能性をにじませたほか、ハト派と見られていた高官からタカ派寄りな発言も出て、市場には戸惑いが広がった。

<早期利上げに懐疑的な市場>

バークレイズ銀行・為替ストラテジスト、門田真一郎氏は、FRB高官らの発言について「市場は(FOMC後に)相当、ハト派に傾いた面があったため、バランスを取ろうとしているのではないか」と見ている。

前回のFOMCでは、景気は堅調との見方を示しながら、メンバーによる政策金利見通しを引き下げた。ただ、金利見通しの引き下げは、中国経済の減速などグローバルなリスクやドル高を気にしたためで、地区連銀総裁らの発言でも「経済見通しに大きな変化はない」(バークレイズ銀の門田氏)との指摘だ。

ドル/円はひとまず反発で反応したが、足元の市場では早期追加利上げに対し、なお懐疑的な見方が有力だ。

112円台まで値を戻したが「ドル買いの勢いは、まだ感じられない」(別の国内金融機関)という。米国などではイースターの連休を控えており、海外投機筋がこれまで積み上げたドルショートや円ロングを手仕舞う動きがあるという。

米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(3月15日までの1週間)では、円買い越しが減少したが、その後に強まったドル売り/円買いの中で再び膨らんだと見られる。

一時的に反発基調が強まる可能性はあるものの「113円や114円に近づけば、戻り売りも強まる。素直に115円に向かうとは考えにくい」(同)という。

<4月利上げの思惑が急なら相場波乱のおそれ>

もっとも、先行きの金融市場の安定や米国のインフレ回復が見込める場合には、4月利上げの目も、ゼロではないとの見方もある。

三井住友信託銀行のマーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏は、よほど強い理由がなければ4月利上げは難しいと指摘しながら「株価・原油価格が上昇し、中国の経済データが強く、FRBが物価の目安とするコアPCE価格指数が前年同月比2%に上昇するような環境が整うなら、FRBは利上げする可能性は高まる」と見ている。

足元で、米原油先物CLc1は昨年12月前半と同水準の1バレル40ドル台に持ち直しており、米ダウ.DJIは1万7500ドルを超えて年初の水準付近に回復。中国の上海総合株価指数.SSECも節目となる3000ポイント付近まで回復した。米コアPCE価格指数は1月で1.7%となっている。

FOMCメンバーの金利予想に基づく利上げ回数の見通しは、今年は2回。ただ、年後半には米大統領選挙を控えており、近づくにつれ政治への配慮から利上げは難しくなると見られている。6月までに利上げできない場合、年内1回どころか、1回もできないとの見方に市場の思惑が大きく後退するおそれもある。

6月には英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を控えており、市場の波乱も想定される。これまでのところ、市場は4月の米追加利上げを織り込んでいないが「チャンスがあるうちに利上げをしたいというのは、FRBの偽らざる本心だろう」(別の国内金融機関)と見られている。

ただ「タカ派的な発言でどんどんドル高が進みリスク回避になれば、結局、利上げの可能性が低下してしまい、ドル高が進みにくくなるというループに陥っている部分がある」(バークレイズ銀の門田氏)との指摘も出ている。

平田紀之 編集:田巻一彦

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