〔アングル〕個人マネーの海外債券志向強まる、一部に受付停止ファンドも
岩崎 成子記者
[東京 12日 ロイター] 個人マネーの投資信託への資金流入で、海外債券型志向が強まっている。足元の投信全体への資金流入は鈍化しているが、海外債券ファンドのカテゴリーには資金流入が増えている。世界の株式市場が大きく動いた米サブプライム・ローン(信用度が低い借手向け住宅ローン)問題の表面化以降、投資家の中に「質への逃避」機運が高まり、株式よりも債券志向が強まっているとの見方もある。海外債券ファンドの中には買付申込受付を一時停止するファンドも出ている。
関係者によると、野村アセットマネジメントが8月29日に設定した毎月分配型ファンド「野村世界高金利通貨投信」62006198JP.LPの買付申込受付が、近日中に一時停止する見通しだ。ファンドへの急激な資金流入に加え、投資先の市場規模や流動性などを勘案し、運用資産の適正な水準維持を図ろうとすることが背景にある。当初993億4500万円で運用をスタートした同ファンドは、設定から1カ月後に残高を2倍超の2092億円に伸ばし、10月11日現在の残高は2707億円となっている。基準価額は1万0780円。9月の純流入額は公募投信の中ではトップとなり1000億円を超えたもようだ。
「野村世界高金利通貨投信」は、新興国を含む世界の中で相対的に金利の高い複数の通貨を選定し、それら通貨建て債券等の円ベースでのリターンを追求し、インカムゲインの獲得と中長期的な信託財産の成長を目指すファンド。新興国を含む世界の国の通貨建て債券(国債・政府機関債、政府保証債、国際機関債、社債、資産担保証券等)やコマーシャル・ペーパー等の短期有価証券が実質的な投資対象になっている。
9月の資金流入動向で上位を占めたのは債券型ファンドばかり。1000億円以上が流入した「野村世界高金利通貨投信」のほか、国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)62002137JP.LPに516億円が流入。大和証券投資信託委託の「ダイワ世界債券ファンド(毎月分配型)」62005338JP.LPと「ハイグレード・オセアニア・ボンドオープン」62004248JP.LPも「2本合計で約500億円が流入した」(同社関係者)という。
大手証券の支店で顧客と向きあうファイナンシャル・アドバイザーは「サブプライム問題が表面化して以降、有事の『金』ではないが、債券に投資する商品に関心が高いお客様が多い」と話す。「バランス型の分配ファンドを好んで買い増ししていた顧客が、円高傾向もあり、昔から保有している債券型ファンドを買い増している」(別の大手証券窓口担当者)との声もある。
野村総合研究所(NRI)が算出している国内投信の資金流出入状況(設定額マイナス解約額、新規ファンド分は3カ月目から算入)によると、10月10日まで月初7営業日間の流入額は712億円。9月同期間の1521億円、同8月の5700億円と比べると、流入額は格段に低下している。
その一方で、同期間の海外資産に投資するファンドカテゴリー(海外株式型、海外債券型、海外ハイブリッド型)に、10月は1937億円、9月は1641億円が流入。投信全体の流入額に占める海外資産型ファンドの流入額の高さがうかがえる。
内訳をみると10月月初は海外債券型に1265億円が流入、海外株式型は298億円、REITや資産分散ファンドを含む海外ハイブリッド型は374億円が流入した。資金流出となっているのは日本株で323億円が流出した。
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