UPDATE2: 松下<6752.T>が液晶用パネル新工場を建設へ、30型台テレビ用を強化
[東京 25日 ロイター] 液晶パネル事業の提携で合意した松下電器産業(6752.T: 株価, ニュース, レポート)、キヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)、日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)は25日夕、3社の社長が東京都内で記者会見した。松下の大坪文雄社長は、30型台の液晶テレビ用パネルの生産に適した新工場の建設を検討している意向を明らかにした。大坪社長は「30型台のパネルを最も効率的に生産できる第7世代か第8世代あたりを考えている」と述べた。
今回の提携では、日立が全額出資する中小型液晶パネル製造の日立ディスプレイズ(東京都千代田区)について、松下とキヤノンが日立から来年3月末までに持ち株の譲渡を受け、それぞれ24.9%出資。次に、キヤノンが将来、日立ディスプレイズへの出資比率を過半数へ引き上げ、事業を主導する。同様に松下は、日立、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)などと共同出資するテレビ用液晶パネルメーカーであるIPSアルファテクノロジ(千葉県茂原市)への出資比率を引き上げ、IPS株の過半数を取得する。IPSは、テレビ用液晶の新工場を建設、事業運営にあたる。
IPSには現在、日立ディスプレイズが50%、松下が30%、東芝が15%、キヤノンが2%それぞれ出資。大坪社長は会見で、IPSへの東芝出資分については松下が全株買い取ることで東芝と合意したことを明らかにした。日立ディスプレイズとIPSの株式移転に関する金額などについては、会見では明らかにされなかった。
<松下、ニーズ高まりで液晶強化>
松下は従来、37型以上の大型薄型テレビはプラズマ、37型以下は液晶というすみ分けをしてきたが、工場への投資や販売戦略でプラズマを主軸とすることを明確にしながら薄型テレビ事業を展開してきた。大坪社長は会見で、「プラズマを主軸に薄型テレビ事業を勝ち抜いていく戦略に変わりない」としながらも、消費者ニーズの多様化を受けて、「必要に応じて液晶の大型化も推進していく」としている。IPSでの液晶新工場の稼動時期などは決まっていないという。
<小型液晶の内製化高める─キヤノン社長>
キヤノンは、デジタルカメラや複写機、プリンターなど幅広い製品に液晶パネルを搭載している。会見した内田恒二社長は「キヤノンは主要なキーパーツ(基幹部品)の内製化を進めており、小型液晶は欠かせない」などと、日立ディスプレイズ株の過半数を所得する狙いを語った。
キヤノンは今後、日立や松下と次世代ディスプレーの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の開発も進める。デジタル一眼レフカメラのモニター用などの用途を想定しており、有機ELテレビには「参入するつもりはない」(内田社長)としている。日立の古川一夫社長は、量産やコストなどの面で有機ELにはまだ技術的な課題が多いと語った。大坪社長も、有機ELをテレビに搭載するにはまだ時間がかかるとの認識を示した。
従来からテレビ事業への参入意欲を示していたキヤノンは、別方式の薄型パネルであるSED(表面電界ディスプレー)の開発を進めてきたが、米社との特許係争の影響で、現在は事業化のメドがついていない。内田社長は「技術開発は進めており、SEDをあきらめたわけではない」と語った。
<日立は液晶パネル事業を縮小>
中小型液晶はキヤノンに、テレビ用液晶は松下に主導権を渡すことで、日立は液晶パネル事業を縮小する。古川社長は、パネル事業について、「1社だけで世界で勝っていける技術、製品ではない」と語った。同社長は、出資はある程度残しながらも、液晶分野ではテレビやカメラといった最終製品で強みを持つ松下とキヤノンとの提携が必要だったとの認識を示した。
(ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者)
© Thomson Reuters 2009 All rights reserved.




日本
米国