〔兜町ウォッチャー〕中国経済の堅調変わらず、中長期的に日本株に恩恵

2009年 06月 16日 15:13 JST
 
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 15日に発表された米ニューヨーク州製造業業況指数が予想外に悪化、景気に対する楽観的な見方がやや後退した一方、中国への期待感は依然強いようだ。中国経済の堅調さは当面、変わらず、日本株も中長期的に恩恵を受けるとの声も少なくない。

 大和住銀投信投資顧問・投資戦略部長の門司総一郎氏は、少なくとも年内とメドとした中長期的なテーマとして、新興国市場関連、環境関連、商品関連の3つが有望と指摘する。「世界的にマネーがだぶついている状況下、中国を含む新興国への資金流入が期待できる」といい、中国経済の腰折れ懸念はないとの見方から、国内の中国関連株銘柄への物色意欲も短期的ではないとみている。

 国内株では、コマツ(6301.T: 株価, ニュース, レポート)、JFE商事ホールディングス(3332.T: 株価, ニュース, レポート)、安川電機(6506.T: 株価, ニュース, レポート)、JUKI(6440.T: 株価, ニュース, レポート)、川崎汽船(9107.T: 株価, ニュース, レポート)など、中国関連銘柄と目されている銘柄は少なくない。あるトレーダーは「日経平均1万円の大台回復の過程で、すでに上がり過ぎている感も否めないが、中国経済に対する先行き期待感が継続すれば安定的に物色される公算も大きい」と述べている。

 中国経済の実態に関して、第一生命経済研究所経済調査部・エコノミストの董冰氏は、直近5月の経済指標から、中国経済は外需は不振が続く一方、内需は堅調と判断している。

 外需を測る5月の貿易黒字は133.9億ドルと4月の131.4億ドルからほぼ横ばいでの推移となった。前月比ベース(季節調整済み)では、輸出入ともに増勢を保っている。一方、5月の鉱工業生産は前年比8.9%増と、4月の7.3%増から伸び率が拡大した。

 董氏は、「中国の景気対策の効果が今後も続き、生産は改善に向かうと見込んでいる」という。同小売売上高は前年比15.2%増で4月(同14.8%増)から拡大した一方、1─5月期の都市部固定資産投資は前年比32.9%増となり、1─4月期(同30.5%増)から更に加速した。董氏は、4兆元(57兆円)の景気対策をはじめとする投資主導の形で、中国経済は増勢を維持するとみている。

 中国の4兆元規模の景気対策の進ちょく状況に関心が集まるなか、国務院は5月27日に会見を開き、4月30日時点ですでに2884億元を手配済みであることを明らかにした。これは今年の追加景気対策分の59%を占める。

 市場関係者からは、「実体経済がグローバルに底打ちの兆しをみせているものの、国内の最終需要が堅調なのは今のところ中国だけのようだ」(国内証券)との声が出ている。

 中国は為替面においても、日本株に対して重要な鍵を握っている。市場では、16日にロシアのエカテリンブルクで開催されるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)首脳会議に関心が集まっている。ロシア中銀のウリュカエフ中銀第1副総裁が前週、外貨準備高に占める米国債の比率を引き下げる方針を明らかにするなど、国際的な準備通貨としてのドルの今後に対する警戒感が強まっている。

 この日、午後に入って日経平均の下げ幅が拡大したのは、ロシアのメドベージェフ大統領の側近がBRICs4カ国首脳会議で、大統領が準備通貨問題を取り上げるとの見通しを示し、ドル安に振れたことも一因だ。

 ただ、ある国内投信のファンドマネジャーは「中国が外貨準備としてのドル保有を減らすことはないだろう。過度の人民元高は輸出に更にダメージを与え経済成長を鈍化させるからだ」と指摘。「近い将来の極端なドル売りは想定しづらい。従ってドル安/円高が進み、国内の輸出株にマイナスとなることもないとみている」という。

 (東京 16日 ロイター)

 (ロイター日本語ニュース 石渡亜紀子 編集 橋本浩)

( ロイターメッセージング:akiko.ishiwata.reuters.com@reuters.net E-mail:akiko.ishiwata@thomsonreuters.com; 03-6441-1784)

 
 

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