〔クロスマーケットアイ〕警戒される米国債入札、不調ならリスクポジション巻き戻し

2009年 11月 9日 12:53 JST
 
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<東京市場 9日>

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日経平均   |国債先物12月限| 国債303回債  |ドル/円(12:30) |

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   9797.75円 | 137.47円 | 1.455% | 90.15/18円 |

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+8.40円 | -0.09円 | +0.010% | 89.95/98円  |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替はNY終盤。

 [東京 9日 ロイター] 米雇用統計、G20財務相・中央銀行総裁会議と週末に大

きな材料があったが、主要国の通貨や資産市場は目立った動きが出ていない。米雇用統計

はまちまちの結果と受け止められ、G20も踏み込み不足という。市場は米国の四半期入

札を警戒しており、入札が不調に終わるようだとリスク選好の資金が巻き戻され、円高、

株安につながりかねない、と身構えている。

 <資源国通貨に買い>

 外為市場ではドルが底堅さを保つ一方、予想外に強い経済指標を背景に対資源国通貨で

円売りが進んだ。市場では「ドルが積極的に買い進まれているというよりは、クロス円で

の円安がドル/円を下支えしている」(証券会社)との声が聞かれる。

 NZドルは一時0.7360米ドル付近まで上昇。ニュージーランド乳製品会社大手の

フォンテラ社が、株主である農民への支払い予想を約20%増加させたとの報道がきっか

け。NZドル/円も朝方の安値65.75円付近から66.20円付近まで上昇した。

 豪9月の住宅向け貸出許可件数は市場予想の中心値3.0%の上昇を大幅に上回り、豪

ドルは安値0.91ドル後半から0.9264ドル付近まで上昇。豪ドル/円は82円の

半ばから83.40円付近まで上昇した。

 豪ドル、NZドルとも買いの中心はCTAなどの商品専門会社やアジア勢だという。

 <米国債入札に警戒感>

 経済のファンダメンタルズに機敏に反応する資源国通貨とは対照的に、主要通貨は11

月末決算を控えた利食いや益出しの動きを中心とした値動きが続いている。「基本的に

11月末決算を控えた利食いが市場のメインドライバーで、講釈はすべて後付け。本格的

なトレンドが出るのはニューマネーが入ってくる1月からだろう」と東京都民銀行シニア

為替アドバイザーの角田秀三氏は言う。

 短期的には市場の関心は、きょうから始まる米四半期国債定例入札に集まっている。岡

三証券・外国債券グループのグループ長・相馬勉氏は「10年債、30年債など中長期債

の増発によって長期金利が上昇するようなら、株価が軟調となり、リスク選好の資金が巻

き戻されることで、ドル高、円高になるだろう。ドル/円相場ではドル高の力が勝り、ド

ル高/円安となろう」とみる。

 <円高リスク、常に意識>

 株式市場では日経平均.N225が前週末の終値近辺で小動き。「米国系投資家の売りに

加え、TOPIXをベンチマークとしている国内機関投資家の売りが継続し上値を抑えら

れている。ドル/円は90円台に戻しているが、円高が先行きのリスク要因として意識さ

れている」(準大手証券トレーダー)という。

 7日に閉幕したG20は、景気回復を確実なものにするため、各国が景気刺激策を継続

することで合意するとともに、金融政策の「出口戦略」の実施は時期尚早との認識をあら

ためて示した。

 第一生命経済研究所主席エコノミストの嶌峰義清氏は「G20で世界経済および金融の

厳しさを確認したことは評価できるが、財政政策への具体的な言及はなかった。米国など

需給ギャップが深刻な経済は少なくなく、財政で埋めていくしかないことは承知している

ものの、財政健全化との間で各国政府にはジレンマがある。長期投資家はこのジレンマを

察知しているため、過剰流動性がリスクテイクに結びついていない」と指摘している。

 株式市場では米FRBが「出口戦略」を先送りしたことで、「ドルキャリー取引」を背

景とするドル安/円高に対する警戒感があらためて強くなっている。「日本は国債増発に

よる長期金利上昇のリスクが高まっている。一方、米国はベビーブーマー世代の債券投資

が活発で、長期金利の上昇圧力が抑えられている。日米金利差による円高が続けば、下期

以降の企業業績にも影響が出そうだ」(みずほインベスターズ証券エクイティ情報部長の

稲泉雄朗氏)との声も出ている。

 <5年債入札前に弱地合い続く>

 円債市場は軟調地合い。長期金利は1.465%に上昇、6月以来の高水準になった。

長期金利の水準が1.4%半ばに達したことにより、地銀勢などからは押し目買いが入り

やすくなっているが、金利はじりじりと上昇を続けている。長期的なテーマとしての財政

リスクが意識され続けており「投資家はこれまでの金利上昇局面である程度、買い下がっ

ていて残高も積んであり、さらにもう少し安いところで買えるのであればそれまで待と

う、という様子見姿勢になりやすい」(国内金融機関)という。

 円債市場の全体的な上値の重さの要因としては、あすに40年利付国債、12日に5年

利付国債の入札を控えていることもある。特に5年債は、販売が低迷している個人向け国

債や市況悪化が著しい15年変動利付債、10年物価連動債の代替として発行増が決まっ

ており、前週の10年債入札が不調に終わっているだけに「5年債入札で安定的な投資家

層と言われている都銀勢の需要が確認できなければ、相場に対する悲観ムードがさらに広

がる可能性がある」(国内証券)と警戒する声も出ている。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者:編集 村山圭一郎)

(hiroshi.hashimoto@thomsonreuters.com;03-6441-1790;ロイターメッセージング

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