重い展開、景気改善期待が後退し7月は正念場=来週の東京株式市場
[東京 3日 ロイター] 来週の東京株式市場は、煮詰まり感が強く重い展開となる見通し。1日の日銀短観6月調査で、足元の景況感改善度合いが市場の予想を下回った一方、2日に発表された6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回る減少となった。日米を軸にファンダメンタルズの改善期待が先行して3月のボトムから上昇を続けてきた日経平均だが、経済指標の下振れを受けて勢いが鈍化。7月に入って3日続落となった。市場では「よほど大きなプラス材料が出ない限り、重い展開が続く。7月は正念場となりそうだ」(国内証券)との声が出ている。
日経平均株価の予想レンジは9500円─1万0100円。
<個人投資家のけん引続くか>
6月の第3週、4週と2週続けて海外投資家が日本株を売り越し、これまでけん引役となってきた海外投資家の動きが止まっている。半面、材料株、テーマ株を中心に個人投資家の物色意欲は旺盛だ。「国内機関投資家の動きがほとんど観測されず、個人投資家が市場のけん引役として、どこまで続くかがカギ」(国内投信投資顧問)との声が少なくない。ただ、足元で、特定かつ少数の大口プレーヤーの先物売買によって相場が大きく振られることが多いとの見方で、「手控えムードが強まり商いが細るなか、これらのプレーヤーの動きに左右される状況が続く可能性が高い」(国内証券)との指摘もある。
ある証券トレーダーは「下値が切り上がる一方、上値も切り下がり三角もち合いの様相となっている。7月の早い段階で6月の高値1万0170円を抜けてこないと、トレンドとして下向きに転換する可能性もある」と懸念を示す。
インベストラスト代表の福永博之氏は、信用買い残が増え、売り残が減っていることを警戒している。「買い戻しエネルギーという観点からみて、これまでみられたような急反発の勢いが弱まっていることを示している。何か好材料が出た場合でも、上値を追えない恐れがある」と述べた。
<市場の関心は景気回復から企業業績へ>
7月6日─10日の週は、主要国首脳会議(ラクイラ・サミット、以下G8)や5月の機械受注、米ISM非製造業景気指数などのイベントをにらみながらの様子見姿勢が続くとみられている。
国内では8日に5月機械受注が発表される。ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前月比2.1%の増加。3月、4月と落ち込んだ反動で3カ月ぶりの増加となる見込みだが、日銀短観でも示されたように企業の設備投資計画は今年度大幅に落ち込んでおり、先行指標となる機械受注も、単月での一進一退を続けながら当面は弱含みの展開となる可能性が高まっている。
もっとも、日銀短観と米雇用統計の結果を受けて景気回復への期待感が後退し、市場の関心は日米の企業決算にシフトしてきているという。米国では週後半のアルミニウム大手のアルコア(AA.N: 株価, 企業情報, レポート)の決算を皮切りに本格化、国内企業は月の後半から発表シーズンとなる。市場では「決算でポジティブ・サプライズなどが出れば上値を試す展開もあるだろうが、逆の場合、月末にかけて売り物の増加を誘発する危険もはらんでいる。傾向を探る意味でアルコアの決算は注目されるだろう」(国内投信投資顧問)との声が出ている。
週半ばの8日から10日の3日間、主要国首脳会議(G8)が開催される。景気対策や財政政策などが議題の中心になるとみられ、特に材料視はされていない。ただ、中国が、新たな国際準備通貨を議題としてとりあげるよう要請したとの報道を受けて米ドルが売られた経緯もあり、市場では「G8で実際に、中国やインド、ブラジルなどからあらためて国際準備通貨への発言などがあった場合、ドル売りを通じて円高に振れ、国内の輸出関連株に売り圧力がかかるというリスクも意識している」(みずほ証券投資情報部マーケットアナリストの高橋幸男氏)との声がきかれた。
<アジア株としての日本株には期待感>
国内の政局がにわかに不透明さを増してきた。衆議院解散・総選挙の時期などに関する様々な憶測が飛び交い、「政局不安を嫌う海外投資家が一層、様子見姿勢を強めかねない」(明和証券シニア・マーケットアナリストの矢野正義氏)という。みずほ証券の高橋氏は「解散・総選挙は12日の都議選次第ではないか。自民党の勝利となれば早まるかもしれない。いずれにしても、政局にらみという点からしても動きづらい一週間となりそうだ」と述べた。
東京市場は好材料に乏しく、引き続き重い展開が予想されるが、アジア株の堅調さはプラス材料となりそうだ。上海株が年初来高値を更新するなど、欧米株と比較してアジア株は相対的に底堅いという。市場では「グローバル・ポートフォリオではアジア株のパフォーマンスは優位にある。アジア株のウエート引き上げの一環による資金流入が、日本株へも波及することも期待できる」(国内投信投資調査部参事)との声がきかれた。
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(ロイター日本語ニュース 石渡亜紀子記者)
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