UPDATE2: ダイムラー、サーベラスに74億ドルでクライスラー部門の大半を売却へ
[フランクフルト 14日 ロイター] ダイムラークライスラーDCX.NDCXGn.DEは14日、米クライスラー・グループの80.1%およびクライスラー関連の金融サービス会社を55億ユーロ(74億1000万ドル)で米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント[CBS.UL]に売却すると発表した。
1998年に独ダイムラー・ベンツ(当時)が米クライスラーを360億ドルで買収することによって実現した大西洋をまたぐ自動車メーカーの大型合併は、期待した成果を挙げることなく解消されることになった。
今回のクライスラー売却は、米大手自動車メーカーがプライベート・エクイティーの手に渡る初のケースとなる。第3・四半期には売却が完了する予定。ダイムラークライスラーは名称をダイムラーに変更する。
ダイムラーが発表した声明によると、クライスラーの従業員向け年金債務と医療関連費用はサーベラスに引き継がれないため、ダイムラークライスラーのキャッシュフローとしては、差し引き5億ユーロの減少となる。
2007年の純利益は30─40億ユーロ減少する見込み。さらに、クライスラーの長期債務を引き継ぐため6億5000万ユーロの費用が発生する見通し。
サーベラスのスノー会長は記者会見で「われわれのアプローチは基本的に長期的なもので、次の四半期を考慮しているわけではない」と述べた。
クライスラーのラソーダ社長兼最高経営責任者(CEO)は、今回の売却が2月に発表された人員削減計画の1万3000人を超えた削減にはつながらないとの見通しを示した。
ダイムラークライスラーのツェッチェCEOは、売却がクライスラーの将来を保障すると同時に、ダイムラーへのリスクを軽減すると述べた。さらに、1998年の両社合併に伴う相乗効果が過大評価されていたことを認めた。
ダイムラーが、業績不振のクライスラー部門を売りに出したのは2月。米著名投資家カーク・カーコリアン氏の会社トラシンダやカナダの自動車部品メーカー、マグナ・インターナショナルMECa.TO(MGa.TO: 株価, 企業情報, レポート)、投資会社ブラックストーン・グループ[BG.UL]などが買収に名乗りを上げていた。
サーベラスとの合意でカギの部分は、全米自動車労組(UAW)に加入しているクライスラー従業員に関連する180億ドルの年金・医療関連債務だった。
ダイムラークライスラーの監査役会のメンバーで、クライスラーをプライベートエクイティーに売却することに反対していたUAWのロン・ゲッテルフィンガー委員長は「サーベラスとの合意は、UAW組合員にとって最善の利益」と称賛した。
1万3000人の人員削減を実施中のクライスラーは、2008年の黒字化を目指しているが、アナリストからは、9月に失効するUAWとの現行の労働協約に代わって、人件費負担を軽減した協約を結べるかどうかが、クライスラーが越えるべき重要なハードルとの指摘がすでにでている。
サーベラスへの売却が決まる重要なポイントとなったのは、サーベラスが持つ自動車業界に関する経験と米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価, 企業情報, レポート)の金融子会社GMACに出資したという実績だった。
クライスラーの場合も、金融サービス部門が優良資産の一つとなっている。
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