米商業用不動産、今後5─8年間に20%下落する可能性=アナリスト

2008年 03月 5日 14:28 JST
 
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 [ニューヨーク 4日 ロイター] 米商業用不動産市場は、信用収縮の影響で今後5─8年間に20%下落する可能性があるが、住宅市場ほど傷は深くないとの見方がアナリストから出ている。

 JPモルガン(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)の複数のアナリストは、4日の電話会議で「商業用不動産ローンのパフォーマンスは2007年がピークだった。2009年末まで加速度的に悪化していくだろう」と述べた。

 電話会議の資料となったリポートによると、商業用不動産の価値は昨年のピークから20%低下、損失は約1200億ドル、3兆2000億ドルの商業用不動産ローン残高の約4%に達する見通し。

 その損失のうち、約300億ドルは商業用不動産ローン担保証券(CMBS)、最もリスクの高いCMBSやメザニン・ローン、その他不動産関連の金融商品で組成した債務担保証券(CDO)が約400億ドルを占めるという。

 2007年第3・四半期末時点の貸し出しの23.6%がCDOを含めたCMBS。CMBS市場の問題が顕在化するのは、期間5年のローンの満期が集中する2010年─2012年とみられ、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン) の焦げ付き増加で打撃を受けた住宅市場に比べれば緩やかな下落にとどまることが予想される、という。

 商業用不動産の多くは、低利の5年物ローンでファイナンスされている。ローン期間満了時には借り替えか、当該不動産の売却を迫られる。

 ローン債権を転売せず、バランスシート上に置いている保険会社や商業銀行といった資金の出し手は、今後5─8年間に500億ドルの損失を計上する見通し。ただ、銀行や保険会社の引き受け態度が比較的厳格なため、証券化商品が抱えそうな問題の大半を回避できる公算という。

 商業用不動産をめぐっては、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが最近、向こう数年間で価値が15─20%下落し、不履行率は1─2%のレンジに上昇する、と指摘している。

 しかし、不動産関連プライベート・エクイティー会社JERパートナーズのマイケル・プラレ社長によると、すでに価値は10─15%下落しており、買い手の多くは借り入れコストの上昇や、借り入れ可能な資金の減少を勘案して引き下げた言い値を提示しているという。

 JPモルガンのリポートは、商業用不動産で最も大きなウエートを占めるオフィス用不動産について「テナントリースの長期的特性から、目先的には比較的良いパフォーマンスをする」との見方を示している。ただ、景気動向に左右されやすい小売り・ホテル不動産はアンダーパーフォームすると予想している。

 ウェルズ・ファーゴ(WFC.N: 株価, 企業情報, レポート)傘下の商業用不動産取次業者イーストディル・セキュアードのベンジャミン・ランバート会長は、オフィス市場のなかで最上位クラスは下落も小幅にとどまるとしているが、全体としては10─15%の価値下落を見込んでいる。

 JPモルガンは、商業用不動産市場の下落は、米国だけにとどまらない、と指摘。英国では23%、欧州やオーストラリアで5─10%の下落を予想している。

 
 

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