〔焦点〕中国、預金準備率引き上げに続き一段の引き締め策講じる見通し

2007年 11月 12日 17:06 JST
 
記事を印刷する |

 [上海 11日 ロイター] 中国では、預金準備率の過去最高水準への引き上げに続いて一段の金融引き締め策が予想されており、引き続きマネーや株式市場を圧迫し、人民元上昇ペースを加速させるとみられている。

 中国人民銀行(中央銀行)は10日、金融機関の預金準備率を0.5%ポイント引き上げて13.5%にすると発表した。

 多くのアナリストやトレーダーはこれについて、新規の大幅な引き締め措置というよりも、今後数カ月間の金融緩和を防ぐための予防的な動きとみている。

 チャイナ・エコノミック・モニターの首席エコノミスト、ジーン・マ氏は「10月の貿易黒字を視野に入れているようだ。預金準備率引き上げによって吸収されるマネーは、人民銀行が1カ月分の貿易黒字に対応すべき量を相殺する」と指摘していた。12日に発表された10月の中国の貿易黒字は270億5000万ドルと、単月で最高となった。ただ、ロイター調査の予想中央値である300億ドルは下回った。

 11月26日から実施される預金準備率の引き上げにより、短期金融市場からまずは約1900億元(256億ドル)が吸収される見通し。 

 パワー・パシフィック・コープ・オブ・カナダのアナリスト、Wu Haijun氏は、中国当局が、2007年12月から08年3月末までに満期を迎える総額1兆5000億元相当の中央銀行手形に対しても備えているようだと指摘。

 ただアナリストは、預金準備率の引き上げに続いて、今年6回目となる利上げ(11月実施との見方)や人民元の上昇加速の容認などその他の金融引き締め策が迅速に講じられるとみている。

 

 <人民元上昇ペースの加速>

 預金準備率の引き上げを受けて、ドル安のためだけでなくインフレ対抗措置として、中国当局が今後数カ月間に人民元の上昇ペースの大幅な加速を容認するとの観測が強まった。

 当局はこれまで、国内金融政策と外為政策を同時に変更することはなかったが、人民銀行は先週発表した第3・四半期の金融政策報告で「インフレ期待を安定させるため、金利政策と為替政策を同時に利用することを推進していく」方針を明らかにした。

 人民元CNY=CFXSは年初から10月中旬にかけて対ドルで年率4.7%上昇。それ以降は約20%のペースで上昇し、今月9日には1米ドル=7.41元と切り上げ後の最高値を更新した。

 この上昇ペースが長期間続くとは予想されていないが、為替トレーダーは今後1年間に約7%のペースで上昇するとみており、その大半は今後数カ月間に集中する見通し。

 短期金融市場では、預金準備率の引き上げを受けて手形利回りが引き続き上昇圧力にさらされ、7日物加重平均レポレートCN7DRP=CFXSの新たな底値が設定される可能性がある。7日物加重平均レポレートは先週、3週間ぶり低水準の2.66%に小幅低下した。トレーダーは、人民銀行が非公式の下限を3.0%に設定しようとしている可能性があると指摘する。

 中国の大手銀行が依然として潤沢な資金を持つ一方で、中小規模の銀行はここ数カ月間に金融引き締めの影響を被り、大規模な株式発行による資金難に見舞われている。

 預金準備率の引き上げは、当局が窓口規制を通じて企業向け貸出の伸びを抑制するよう銀行に指導していることと重なり、この状況を悪化させる可能性があるとの指摘がある。

 
 

株価検索

会社名銘柄コード
 

ロイターオンライン調査

写真

貸し渋り問題に注目が集まって見逃されがちなだが、現在の日本には中小企業へのリスクマネー供給の課題がある。
  ブログ 

  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率