〔焦点〕国内債中心のスタンス、外債投資は為替水準次第=大手生保07年度下半期・運用計画

2007年 10月 19日 16:17 JST
 
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 岩崎 成子記者

 [東京 19日 ロイター] ロイターが調査した大手生保各社の2007年度下半期・一般勘定資産の運用計画によると、国内債を積み増す運用スタンスが目立つ。利上げについては、日銀は年度内に一度、0.25%の利上げを実施するものの、継続利上げは見込めず金利の上昇は抑制されるとの見方が大勢。外債投資に関しては、ヘッジコストの上昇からヘッジ付き外債への投資は見送る方向だが、オープン外債は円高の進行次第で各社とも積み増す可能性を示唆している。国内株式は下落局面での割安銘柄の積み増しなどを検討するところもあるが、基本的には銘柄入れ替え程度で残高は横ばいとするところが多い。サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)は現時点では、各社ともほとんど影響を受けていない。

 大手生保各社は、国内債の購入を基本とした年間の運用計画通り、下期も国内債券を積み増す方向だ。注目される日銀の追加利上げに関しては「年度内に0.25%の利上げを一度実施するが、継続利上げは見込めない」(日本生命)「08年3月までに1回というシナリオを中心に考えている。年内に1回利上げできれば3月までにもう1回という可能性も出てくるが、サブシナリオだろう」(住友生命)といった声があるなど、年度内に1回の利上げを想定する意見が多い。

 購入する条件としては「長期金利は10年債で1.9%を超えてくると投資意欲が出る」(日本生命)「(長期金利は10年債で)2%を超えていくことはないとみている。1.9%前後なら当面の金利の上限に近いとの判断で投資していく」という見方に加え、「10年債利回りは1.7─2.1%(年度末1.9%)のレンジで緩やかな金利上昇を想定。収益面でキャピタルゲイン獲得を目指すよりも、その間の金利収入を得た方がいい。期間が長い債券を中心にタイミングにこだわらず、たんたんと平準買いをしていく」(三井生命)「来年1─3月期に利上げなどにより長期金利が2%を超えてきた場合は円債を新たに積み増すことも考える」(朝日生命)といった声もある。一方、「長期的には、負債にあった円金利のエクスポージャーを増やさざるを得ない。ALM投資の観点から、向こう2―3年後を見越したポートフォリオの見直しを検討する時期にきている」(太陽生命)といったコメントもあった。

 新たに発行される40年債については「発行条件が未定で確かなことが言えないが、20年債や30年債利回りとのスプレッドなど比較感で判断していきたい」(日本生命)「運用対象の選択肢が広がるという意味では歓迎している。ただ、どういった年限のものを買うかはデュレーションの状況などで決まる。とりたてて40年債に積極的になっているわけではない」(住友生命)「ALM(資産・負債の総合管理)の観点で、超長期債の資産は足りていないため、買っていくニーズはある」(三井生命)──など見方は分かれた。

 他方、外債投資は米短期金利の上昇でヘッジコストが上昇しており、ヘッジ付き外債への投資妙味が薄れている。「ヘッジコストが高く収益性が悪いため(上期は)ヘッジの解消を進めた。下期は静観し金利動向次第で次の行動を考える」(大同生命)「為替ヘッジは包括的に行っているが、ヘッジ付き外債は買わない方針だ」(富国生命)との指摘通り、各社ともほぼヘッジ付き外債については投資を見送るスタンスだ。オープン外債については「為替相場を見ながらリスク性資産のひとつとして国内株や不動産と同じ並びで残高をコントロールする」(第一生命)「相場次第だが、金利が低下しているので横ばいとする可能性が高い。円高なら積み増す可能性もある」(住友生命)「為替が1ドル=110円に接近すればオープン外債を積み増す可能性もある」(大同生命)とのコメント通り、投資に踏み切るかどうかは円高の進行にかかっている。

 株式投資に関しては、上期の株価下落局面で、国内外ともに積み増したところが多く、微増か横ばいが主流。国内株式に関しては「現状の株価水準で日本株のウエートを引き上げる計画はない」(大同生命)「期初に比べ、ダウンサイドリスクへの警戒感を強めており、相場が下振れた場合は比率の引き下げも考える」(朝日生命)「2010年以降に時価会計導入をにらみ、引き続き中期的に株式残高圧縮を勧めている」(明治安田生命)とのコメントにあるように、国内株のウエートは総じて横ばいか低下傾向にある。なかには「今後は銘柄を吟味したい。株価下落局面があれば割安銘柄の積み増しは検討する」(日本生命)「上期の残高を維持し、銘柄入れ替えを主体にした投資姿勢を継続していく」(三井生命)「TOPIXが1600ポイント以下まで下落すれば買い下がる。逆に上昇すれば売却する可能性もある。状況に応じて先物、ETFなどを売買し機動的に対応する」(大同生命)など、リバランスと機動的な運用を行うことを指摘するコメントも聞かれた。

 サブプライムローン問題では「一部のファンドにサブプライムローン絡みの証券が入っていたが、ショートポジションをとっていたので逆に利益が出た」(富国生命)ところもあったが、ほとんどがサブプライムローン関連商品には直接投資はしていないもよう。このため現時点では影響は出ていない。ただ、今後については「同問題は、実体経済に長期的な悪影響を及ぼすかがポイント。米国で個人消費に影響が波及、日本にも長期的な影響を及ぼすようなら投資スタンスを見直さなければならないが、それはまだサブシナリオの域を出ないと考えている」(日本生命)という見方があるほか、「サブプライム問題でヘッジファンド業界の淘汰が進めば、ヘッジファンドへの投資を増やすことも考えたい」(朝日生命)「ヘッジファンドは下期に60―120億円の積み増しを予定しており、今年度中にも中期計画の2000億円に到達する可能性がある。プライベート・エクイティも100―150億円の積み増しを予定している」(大同生命)とオルタナティブ投資に突出して積極的なところもある。

 
 

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