消費税は社会福祉目的税化、望ましい消費税率明記の方向に=自民・財革研
[東京 16日 ロイター] 自民党の財政改革研究会(会長:与謝野馨前官房長官)は16日、中間とりまとめに向けた議論を行った。終了後会見した後藤田正純事務局長によると、会議では必要な消費税の増税幅を報告書に明記すべきではないとの意見はなく、「消費税を社会給付のための財源と位置づける」ことや「2010年代半ばを目途に安定的財源を確保する」とした園田博之座長メモも了承された。
きょうの議論を踏まえて財革研では、21日に中間とりまとめを行うが、報告書では、団塊世代が年金受給者となる2015年度ごろを念頭に望ましい消費税率の水準を提示する可能性が高まった。
きょう提出された座長メモでは「歳出削減のみに頼った財政健全化は国民へのサービス供給や国家の基本機能の維持に支障をもたらす恐れがある」とし、「行政機構の非効率や無駄な歳出を排除しつつ、歳入改革にも責任をもって取り組む」姿勢を明記。
2011年度の基礎的財政収支黒字化後の財政健全化の道筋として「利払い費を含む財政収支の均衡を目指すことで、2010年代半ばの目標である債務残高対GDP比の安定的引き下げの実現を図る」としたうえで、「財政健全化の取り組みが遅れるほど、必要となる収支改善の規模は増大する」と指摘、早期の具体的な取り組みを提言している。
社会保障財源としては「現世代が広く負担し景気変動に安定的な税が望ましい」とし、焦点の消費税については「社会保障給付のための財源として位置づける」ことを明記。消費税の社会保障目的税化への移行を打ち出している。さらに「団塊世代が年金受給者となる2010年代半ばを目途に国民への給付に要する安定的財源を確保する」とし、制度改革の念頭に置く時期として2010年代半ばを目途とする方針も明示した。
そのうえで「基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げ、基礎的財政収支の黒字化を確実に達成するため、早期に税制上の措置(を行う)」とし、消費税上げも念頭に抜本改革に取り組む必要性をにじませている。
座長メモでは、具体的な消費税率は明示されていないが、後藤田正純事務局長は「明記すべきという意見が大勢だった」と述べ、最終報告では、望ましい消費税率を盛り込む可能性を指摘した。
厚生労働省がこの日の会合に示した「社会保障給付に係る公費負担の推計と消費税収との関係(機械的試算)」によると、2015年度の公的年金・医療保険・介護保険分を消費税収で賄うとすると消費税率に換算して約5%の引き上げが必要になる。これを人件費なども含む広義の社会保障給付費ではじくと、必要な消費税率は約8%となる。これに新たな少子化対策費用が加われば、消費税率の上げ幅はさらに拡大する。
試算は、消費税を社会福祉目的税とすれば、2015年度には、現行5%の消費税率が10%程度まで引き上げられる姿を映し出している。
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