月末控えデュレーション調整意識、短期筋の反対売買で金利低下一服も=来週の円債市場
[東京 22日 ロイター] 来週の円債市場は底堅い展開になりそうだ。サブプライム(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の深刻化を受けた質への逃避買いが続いており、10年最長期国債利回り(長期金利)は1.4%台で低下余地を探るとみられる。市場参加者によると、月末を控えた保有債券の平均残存期間(デュレーション)の長期化需要が見込まれることも相場の支え。ただ、金利低下を主導したのは短期筋の買い仕掛けとの指摘があり、反対売買をきっかけに金利低下が一服するとの声も聞かれる。
国債先物12月限の予想レンジは136.90円─137.70円。
10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.450%─1.350%。
<長期金利になお低下余地>
東京円債市場で22日、長期金利の指標となる10年最長期国債利回りが2005年9月27日以来ほぼ2年2カ月ぶりに1.4%を割り込み、一時1.395%に低下した。サブプライム問題や原油高を受けて世界的な質への逃避行動が強まり、金融市場で円高/株安/債券高の流れが鮮明になっているのが背景。
みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「金融市場の流れが変わる要因は見当たらず、月末のデュレーション調整などの追い風が多いなか、長期金利が1.4%を割り込んだのは自然な流れ」と指摘する。
また、同氏は2006年度の名目GDPが前年度比プラス1.3%、07年度上半期は前年同期比プラス1.5%となっていることを例に挙げ、「1.4%前後の長期金利水準は名目GDP実績のちょうど中間に位置しており、足元の長期金利水準に違和感はない。質への逃避買い需要が生じており、リスクプレミアムが金利に上乗せされるのではなく、ディスカウントされてしかるべき状況」と話した。
高値警戒感がくすぶる中でも目先は相場上昇が続くとの見方が多いのは、11月末の債券インデックスが通常月より長く延びることや、12月国債大量償還に伴う再投資ニーズなどの需給要因も影響している。市場参加者からは「8月以降の金利急低下で戻り売りが続いており、売り手不在の状況になっている」(外資系証券のチーフストラテジスト)との声が聞かれた。
ただ、足元の金利水準は主要投資家による運用計画とのかい離があるとして、積極的な国債購入に懐疑的な見方は残っている。市場には「短期筋の買い」が足元の金利低下を促したとの見方があり、反対売買による金利低下一服を予想する声もあった。
総務省は30日、10月全国消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)を発表する。ロイターがまとめた民間調査機関の予測によると、同指数の予測中央値は前年比横ばいの0.0%となり、マイナス0.1%だった9月よりも改善する見通し。マイナス圏脱出は1月(横ばい)以来だが、外資系証券のストラテジストは「ゼロ近傍であることには変わりない。市場動向を左右する材料にはならなそうだ」と話した。
財務省が29日に実施する新発2年債入札(1兆7000億円、12月17日発行)では、表面利率が前回債から0.1%引き下げの0.7%か、前回債と同じ0.8%になるとみられる。2年利付国債は262回債利回りがロンバート型貸出金利(0.75%)を大きく下回っており、すでに低下余地は乏しいとの声が多い。
ただ、「キャッシュと同じような扱いで余剰資金を滞留させる一定量のニーズがありそうだ」(外資系証券)との声があり、この水準でも無難な入札になると予想されている。
(ロイター日本語ニュース 山口 貴也記者)
© Thomson Reuters 2009 All rights reserved.






日本
米国