不動産やM&A向け与信のリスク管理体制に重点=日銀07年度考査方針
[東京 26日 ロイター] 日銀は07年度の考査における実施方針を発表した。その中で重点項目として、与信リスクについては金融機関が与信姿勢を積極化させている不動産取引やM&A(企業の合併・買収)向けの与信について、そのリスクを十分踏まえたリスク管理体制が適切に整備されているかを検証するとした。また市場リスクとしては、オルタナティブ投資やファンド投資について外部業者任せではなく、投資を行っている金融機関自身が主体的なリスク管理を行っているか、を検証する。
与信分野では、06年度の考査で、たとえばシンジケートローンでは地域金融機関において、管理がアレンジャーやエージェント任せとなり、審査基準や中間管理に問題のある事例があった。また不動産ノンリコースローンでは、与信額が案件価値を十分下回る範囲で行われている例が多いものの、一部ではキャッシュフロー評価の前提に問題があるなどの事例もあったという。
07年度考査では、案件の経済評価が適切に行われているか、与信集中が回避されるような管理体制を整備しているか、シンジケートローンでは与信額に応じた損失分担を十分認識しているしてリスク管理体制を整備しているかなどを検証する。
特に公示地価による地価が全国的に上昇傾向に転じた今年は、不動産ファインスに関しては転換点となる可能性もあるため、日銀も従来以上に詳細に検証していく必要があるとの認識を示した。
企業のM&A分野も最近は活発に与信が行われているが、外部借り入れへの依存度の高い大規模案件もある。こうした取り組みを積極化させている金融機関においては、買収対象事業の将来キャッシュフローの評価が適切に行われているかを確認するとしている。
市場リスク分野では、最近は金融機関も融資のみならず、多様な形態のデットやエクイティ投資の形で内外ファンドが関与する資金の流れに関わり、各種ファンドへの投資や証券化商品など市場性クレジットへの投資が広がっている。金融機関は、外部の運用・資産管理などの専門家も利用しつつ相対的に高いリターンを確保することを狙っている場合が多いという。このため、投資判断や運用状況など、外部運用担当者との面談など幅広い取り組みが求められるとしている。また地域金融機関では、オルタナティブ投資の時価やリスク把握を外部業者が提供するシステムやサービスを通じて行っているケースが多いため、考査では金融機関自身がリスクの特性を認識し、主体的な管理を行っているかを検証するとしている。
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