UPDATE4: サブプライム関連投資が三井生命の決算に打撃、他社は限定的=生保各社
[東京 30日 ロイター] 生命保険各社は30日、2008年3月期の決算発表と同時に、証券化商品の保有状況を公表した。三井生命は保有する証券化商品を一部売却し、実現損を227億円計上し最終赤字に転落したが、その他は一部で含み損が発生するにとどまり、決算への影響は限定的だった。
サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題に端を発した市場の混乱の影響を最も受けたのは三井生命。同社は保有しているCDO(債務担保証券)の残高が455億円で、実現損が236億円、含み損が64億円となった。これにCDO以外の商品を加えた証券化商品全体の実現損は227億円となって収益を圧迫。株式相場の下落で保有する国内株式でも損失が発生し、08年3月期の当期損益は、前年同期の258億円の黒字から96億円の赤字になった。
三井生命の2007年9月期のCDO残高は692億円だったが、実現損は15億円・含み損が76億円にとどまっていた。ただ、記者会見した三井生命の藤岡昭裕二執行役員は「CDOは下期以降にここまで下がると思っていなかった。流動性がなくなって売るに売れない状況だった」とした。今期の証券化市場は「まだ混乱が続いている。投げ売りする状況にはない」という。
少子高齢化と生命保険へのニーズの縮小を背景に、各社とも保険料収入の頭打ちという共通の問題は抱えるが、その他の生保では、保有する証券化商品の価格下落や実現損の発生が決算に与える影響は限定的だった。
第一生命は住宅ローン担保証券(RMBS)など証券化商品への投資残高が時価ベースで1兆1276億円あるが、このうちRMBSを中心に08年3月末時点で含み損が450億円発生。ただ、この含み損のうち、ドル円など為替相場の急激な変化による差損が313億円を占めた。実現損は245億円で為替差損は約半分だという。08年3月期の経常利益は前年比15%減(2005億円)にとどまった。証券化商品のうち、サブプライム関連の保有残高は、売却損を1500万円計上してゼロになった。
明治安田生命は証券化商品への投資残高が時価ベースで7693億円あり、このうち含み損は、ヘッジファンド投資を中心に発生した160億円。投資残高のうち、金額が最も大きいのはRMBSへの投資で、時価ベースで4003億円。ヘッジファンドへの投資は1071億円あるが、ここで含み損が196億円(実現損は33億円)発生した。海外の連結子会社がサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)を裏付けとした資産担保証券に投資しているが、08年3月末時点の実現損益は1億円未満としている。
一方、日本生命は、サブプライム関連商品への直接投資はゼロと公表した。証券化商品全体の投資残高は4兆3955億円で、含み益が762億円発生し、売却損は117億円だった。日生では、投資先の投資信託やヘッジファンドの一部にサブプライム関連商品への投資があり、これらのファンドへの組み入れ比率から算出したサブプライム関連残高は約23億円。ただ、実現損益は発生していない。
住友生命はサブプライム関連商品への直接投資はゼロだったほか、証券化商品全体でみても、保有する商品はすべて日本国内のものだとしている。朝日生命の証券化商品は140億円で実現損は10億円。サブプライム関連のCDOは9000万円まで圧縮した。富国生命の証券化商品の投資残高は136億円で含み損が4億円。サブプライム関連の投資実績はないという。
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(ロイターニュース 江本 恵美記者、村井 令二記者)
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