長期金利は1.3%挟みで推移、短観下ブレなら利下げ意識=今週の円債市場

2008年 03月 31日 07:39 JST
 
記事を印刷する |

 [東京 31日 ロイター] 今週の円債市場は、10年最長期国債利回り(長期金利)が1.3%を挟んで推移するとみられる。財務省が4月1日に実施する10年利付国債(1兆9000億円、2018年3月20日償還)の入札を控えた調整売りが出やすいうえ、主要投資家が「期初の益出し売り」に傾けば金利上昇に弾みがつきやすい。一方、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の深刻化による米景気悪化の影響は避けられず、日銀が1日公表する企業短期経済観測調査(日銀短観)は、2004年3月以来の水準に悪化すると見込まれている。ファンダメンタルズ面からの売り材料に乏しいため、次第に需給引き締まり感が強まりそうだ。短観次第では、4月末に予定される日銀展望リポートの見通しに下方圧力がかかるとの思惑から、日銀利下げ観測が強まる可能性もある。

 

 国債先物6月限の予想レンジは140.00円─142.00円。

 10年物最長期国債利回りの予想レンジは1.350%─1.250%。

 

 長期金利は1.3%を挟んだ推移が見込まれる。1日の10年利付国債入札を控えた持ち高調整売りや、価格変動リスクを抑えるためのヘッジ売りが出やすい。主要投資家が「期初の益出し売り」に傾けば金利上昇に拍車がかかることも考えられる。もっとも、米景気の後退局面入り観測の強まりで、1日公表の日銀短観は悪化することが確実視されており、ファンダメンタルズ面からの売り材料に乏しい。

 市場には「益出ししようにも相場を切り崩すほどのロットで売りが出てくることは考えづらい」(外資系証券のストラテジスト)との指摘があり、次第に需給引き締まり感が強まる展開も予想される。

 財務省が27日発表した対外対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)で16―22日の対内債券投資が過去最大の資本流出超となり、欧米金融機関の信用不安がくすぶる過程で外国人投資家によるリスク許容度が低下していたことが鮮明になった。米ベアー・スターンズBSC.Nショックが広がり、世界的に金融・資本市場が混乱したことが影響したとみられる。

 依然として欧米金融機関に対する信用不安がくすぶっているとはいえ、市場参加者からは「市場機能は徐々に回復している」(国内証券)との見方が出始めている。市場には「期初の需給とファンダメンタルズに焦点が移っている」(国内証券のアナリスト)との声もあった。

 

 国内景気動向を占ううえで注目される3月短観は、ロイターがまとめた民間シンクタンク予測によると、大企業・製造業の業況判断DIがプラス13、非製造業DIはプラス11となり、ともに12月(それぞれプラス19とプラス16)から大幅に悪化する見込み。予測値は、製造業が2004年3月(プラス12)以来、非製造業は05年3月(プラス11)以来の低水準となる。

 3月日銀短観は、4月末に発表が予定される日銀展望リポートに大きく影響するとみられ、市場からは「さらに下ブレするような内容であれば日銀利下げ観測の強まりは必至」(外資系証券のチーフストラテジスト)との見方が出ている。

 需給面では10年債入札が焦点。足元の取引水準で推移した場合、表面利率は2005年8月以来2年8カ月ぶりに1.3%になる公算が大きい。絶対水準からの妙味に懐疑的な声は残るが、現時点では、新年度入り後の一定需要を支えに無難な入札になるとの読みが多い。

 3日には、10年物価連動国債(5000億円、2018年3月10日償還)の入札が予定される。入札は利回り競争入札によるダッチ方式。外国人投資家によるポジション解消により、10年利付国債289回債(表面利率1.5%、2017年12月20日償還)と10年物価連動国債14回債(表面利率1.2%、2017年12月10日償還)のブレークイーブンインフレ率(BEI)がマイナス圏で推移する場面があった。

 10年物価連動債の表面利率は1.3%になることが予想され、2004年3月の発行開始以来、初めて同じ月の入札で表面利率が並ぶが、「一部投資家から興味が示されているとの指摘があるものの、投資に慎重な参加者は少なくない」(外資系金融機関)との声は残る。

 (ロイター日本語ニュース 山口 貴也記者)

 
 

株価検索

会社名銘柄コード
 
写真

リスクマネーの動きが活発化しており、コモディティ市場においては需給面よりも金融商品市場としての色濃さが増している。  ブログ 

  • 日本日本
  • アジア
  • 米国米国
  • 欧州
  • 東証1部 値上り率