再送:〔焦点〕三井住友<8316.T>の日興買収戦で再編のカギ握る大和、銀行・証券の大再編へ

2009年 04月 27日 18:07 JST
 
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*3段落目の各証券の営業収益の数字を、日興コーディアルについて「3531億円(日興シティとの合算)」とし、大和については「連結の8254億円から」、「リテールとホールの合算4684億円」に差し替えます。

 [東京 27日 ロイター] 日興コーディアル証券と日興シティ証券の一部を買収する優先交渉権を三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)が得たことで、今後の焦点は、大和証券グループ本社(8601.T: 株価, ニュース, レポート)を巻き込んだ銀行・証券の大再編に移る。三井住友は大和とホールセール部門で合弁会社、大和証券SMBCを展開してきた。これまでは大和SMBCで組成・開発した金融商品を大和証券に卸し、リテール販売を行ってきたが、買収が実現すれば日興コーディアルをメーンの販売先に置き換えることになる。三井住友は日興をテコに大和そのものを飲み込む戦略も選択肢と検討しているとみられ、三井住友と大和との間の綱引きが激しくなりそうだ。

 <三井住友のリテール支店網、大和抜き野村に肩並べる可能性>

 三井住友はシティ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)の日本におけるリテール証券である日興コーディアルと、ホールセール証券の日興シティグループ証券のうち、中堅・中小企業業務を行う一部門などの買収で具体的な交渉に入っている。日興買収により、リテールネットワークを大幅に拡充させ、大きく出遅れている支店網、販売力で野村ホールディングス(8604.T: 株価, ニュース, レポート)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)、みずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)を追撃する計画だ。

 三井住友が日興を買収すれば、店舗数は単純合算ベースで、グループの中堅証券・SMBCフレンド証券の75店舗に109店舗が加わり、計184店舗に拡大。買収後に支店を統廃合しても、国内大手の野村証券の172店舗と肩を並べ、大和証券の118店舗を上回る計算だ。売上高に相当する営業収益規模では、SMBCフレンド証券の605億円と日興コーディアルの3531億円(日興シティとの合算)の合計(08年3月期)で4136億円。大和(リテールとホールの合算4684億円)には届かないが、販売力の増強につながるのは間違いない。

 <ホールセール強化の可能性は不透明>

 一方、大和証券グループとの関係では、大和証券グループ6割、三井住友4割の出資構成でホールセールの大和証券SMBCが存在する。三井住友が日興の販売ネットワークを丸飲みすれば、これまで大和証券SMBCで仕込み、リテールの大和証券に流してきた株式や外債、仕組債などの金融商品の販売先に新たに日興が加わることになる。このため「販売手数料の分配などをどちらに何割落とすのかという点も含め、微妙な判断を強いられる」(証券関係者)ことになる。

 三井住友と大和の今後の関係を占う要素として「三井住友が日興シティのどのようなビジネスを買うか、その具体的な中身によって左右される」(クレディ・スイス証券の大野東アナリスト)との指摘がある。

 買収対象が中堅・中小企業関連のビジネスにとどまれば、三井住友にとってホールセール業務の大幅な強化にはつながらない。このためホールセール業務に関しては大和証券SMBCを維持したままの「緩やかな提携関係」を維持するシナリオに落ち着く可能性がある。その場合は、リテール部門での大和証券と日興コーディアル・SMBCフレンドの「力関係のバランスをどうつけるのかが焦点になる」(大野氏)という。

 これに対して、買収対象が日興シティの中堅・中小企業業務にとどまらず、株式や債券の引き受け、セールス・アンド・トレーディングなどのホールセール業務の根幹にかかわる部分に広がれば「大和との決別宣言になる」(別の証券アナリスト)との見方もある。シティは「売却価格を引き上げるために中堅・中小企業関連のビジネス以外の業務部門を加える用意がある」としており、交渉は大和証券グループとの関係をこの先どうして行くのかという判断を踏まえた内容にならざるを得ない。

 <大和丸飲み戦略も検討>

 大和証券グループは、銀行に飲み込まれることをかたくなに嫌ってきた。その理由として「銀行傘下に入った証券の成功例がないから」(大和関係者)という答えが大和証券から返ってくる。

 ただ、「大和はホールセール業務で三井住友に肩も腰も支えてもらわなければ、独り立ちできない状況」(投資銀行関係者)とも言え、独立独歩の選択肢は考えにくいという指摘も業界関係者から出ている。

 三井住友の内部には「資金調達面でも大和は、三井住友が後ろ盾にいないと困難な状況」(幹部)との声もある。こうした状況を踏まえて、三井住友は日興獲得のカードをチラつかせながら、グループ入りを求める交渉に打って出る可能性もある。時価総額7250億円の大和証券グループを、同2兆5100億円の三井住友が飲み込んでしまうのか、それとも友好関係を維持しながら緩やかな連携を継続するのか。三井住友の決断次第では、証券・金融界に大きな地殻変動が起きそうだ。

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(ロイターニュース 江本 恵美記者、布施 太郎記者;編集 田巻 一彦)

 
 

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