「投資家に信頼される不動産投資市場確立フォーラム」、ファイナンスの多様化やガバナンス強化を提言
[東京 3日 ロイター] 不動産証券化協会(ARES)は、「投資家に信頼される不動産投資市場確立フォーラム」のとりまとめとして、「Jリートを中心としたわが国の不動産投資市場の活性化に向けて」と題した結果を公表した。Jリートの再編の必要性を背景に、ファイナンスの多様化やガバナンスの強化について提言している。
同フォーラムは、2007年5月に、社会資本整備審議会答申「今後の不動産投資市場のあり方について(第二次答申)」を踏まえ、わが国の不動産投資市場の健全な発展に向け、有識者や市場関係者および行政が一体となり検討を行うために設置されたもの。
とりまとめでは、2001年にスタートしたJリートは、物件取得やバリューアップなどを通じ、順調な成長を遂げてきたが、サブプライム問題の発生を契機に下落基調に転じて以降、物件取得数は急減するなど初めての調整期に入っているとしたうえで、Jリート市場はわが国の不動産投資市場の根幹をなすものであり、Jリートに対するの投資家の信頼を高め、早期に再活性化し、不動産をめぐる良好な資金循環を再構築する必要がある、としている。
合併をはじめとするJリートの再編で問題視されていた導管性の問題や合併交付金問題については、09年度税制改正において導管性判定式の改正が行われたほか、合併交付金については、金融庁において、関連する内閣府令および監督指針の改正が行われるなど(業界の)懸念は和らげられた、との見方をしている。
またファイナンスに関しては、Jリート各社が借入金等に依存しない安定した財務基盤構築のため、一般事業会社並みにファイナンス手法が多様化されている海外の事例も踏まえ、株主割当増資や現行の投信法上では難しい転換社債や種類株式の発行に関しても検討課題にあがっており、投資家保護の観点も踏まえ、慎重な制度設計と環境整備が必要としている。
一方ガバナンスに関しては、足元で複数の運用会社が投資法人に対する利益相反行為で行政処分を受けるなどしており、一層の強化策が必要とし、運用会社における独立性の高い社外取締役の選任や、Jリートとして統一的かつ投資判断に有用な情報提供のためにも、成約価格に基づく住宅価格指数を開発・普及が必要としている。また不動産鑑定評価についても、Jリートのような長期保有を前提とした不動産の継続的な評価について、今後更なる検討が必要とまとめた。
同フォーラムが今回、公表したとりまとめで、Jリートに関する問題は当面、全て話し合われたとされるが、不動産投資市場においては、私募ファンドの占める割合は非常に大きく、今後はJリート以外の不動産投資市場の活性化策についても、市場関係者が一体となって考えていくことが必要、としている。
(ロイター日本語ニュース 岩崎 成子記者)
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