〔FEDフォーカス〕金融監督機関としての米FRBの権限拡大に懐疑的見方

2009年 04月 8日 17:55 JST
 
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 [ニューヨーク 6日 ロイター] 米金融システムが多くの問題を抱えるなか、米連邦準備理事会(FRB)が規制面で総監督機関としての役割を果たす案が浮上しているが、その不透明性や現在の危機を回避できなかったという点を踏まえると、統括的な監督権限をFRBに与えることには懐疑的な見方がある。

 ミズリー大学の経済・法律専門のウィリアム・ブラック教授は「規制当局としてのFRBに大きな懸念がある」とし、「FRBの規制当局者は内部ではまったく権限を持っていないほか、基本的に大手銀行に対する厳しい規制にFRBは反対の立場」と述べた。

 FRBが住宅バブルを手助けしたとの批判がある。2004年に利上げを開始するまで超低金利政策を続けただけでなく、住宅市場の投機的な動きは地域的なもので、国内経済全般への影響はないとの考えを示していた。

 FRBは、住宅ローン市場における連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の独占的な立場についてのシステミックリスクを指摘したが、多くのアナリストは、FRBが実質的にリスクテイクを容認し、詐欺のような住宅ローン慣行の兆候には眼を背けたと批判する。

 RDQエコノミクスのコンラッド・デクアドロス氏は「大きな過失があったことは明らか。FRBの監督権限拡大は、システムにとって実際に必要なことではない」との考えを示した。

 テキサス大学で公共問題を専門とするロバート・アウアーバッハ教授は、FRB当局者が監督対象である銀行と近すぎる関係にあるという点がひとつの問題と指摘する。アウアーバッハ教授は「ニューヨーク連銀も含め、FRBの全地区連銀の理事会には各9人の理事がいるが、そのうち6人はその地区の銀行が選出する。つまり、ニューヨーク地区の銀行が自分たちを監督する理事を選んでいるわけだ」と語った。

 またニューヨーク州保険局のエリック・ディナロ局長は、全ての規制システムをひとつの機関が統括すべきとの考えに反対している。

 <ブラックボックスめぐる透明性>

 バーナンキ議長は就任後、オープンなコミュニケーションを推進する方針を示したが、議長が目指すコミュニケーションは完全には達成されていない。もちろん、FRBの声明は依然よりも読みやすくなり、市場で多大な解釈を必要とする暗号の時代は終わった。ただ、そうした開示性はFRBが講じた緊急策には適用されていない。

 アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)やベアー・スターンズの救済のためにFRBが受け入れた担保の情報へのアクセスを求めて、多くの報道機関はFRBに対して法的措置を取っている。一方FRBは、その準政府機関の立場から情報公開法の適用対象にはならないと主張している。FRBが公表するバランスシートは、以前は2ページの分かりやすいものだったが、今や8―9ページにおよび解読は容易ではない。

 バーナンキ議長は、FRBの会話のトーンや孤立性はグリーンスパン前議長の元で築かれたものと主張している。前議長は、反対意見を抑え国民の詮索を可能な限り避けようとした。またボルカー元議長とは異なり、資産市場に対して強気な見方を持っていたほか、金融機関が自らを規制する能力を確信していた。議長の後継者も概ねその考えを継承した。

 DRWホールディングスの市場ストラテジスト、ルー・ブリエン氏は「2006年の秋、これから起ころうとしている津波がまだはるかかなたにあるなか、当時のガイトナーNY連銀総裁は金融システムについての講演を行った。ガイトナー氏は大手金融機関のリスク管理や規制当局の監督能力を評価し、デリバティブのリスク分散機能を賞賛した。これは完全に間違っていた」と批判した。

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(Pedro Nicolaci da Costa記者;翻訳 伊藤恭子;編集 村山圭一郎) 

 
 

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