公的資金注入、個別行としてはシナリオに入っていない=全銀協会長
[東京 21日 ロイター] 全国銀行協会会長に就任した永易克典・三菱東京UFJ銀行頭取は21日の記者会見で、大手行に対する公的資金の注入について、個別銀行のシナリオに入っていないと述べ、活用に否定的な見解を示した。
日銀による銀行の劣後ローン引き受けについても、公的資金であることに変わりないと述べて活用しない考えを示した。
永易会長は銀行の貸し出しは昨年10月以降4%の伸びを示しており、絶対額としても11兆円増えていると説明。「銀行は取るべきリスクを取って貸し出しを増やしてきた」とし、金融仲介機能を発揮しているとの考えを示した。その上で、公的資金の注入について「個別行のシナリオには入ってない。検討もしたことない」と語り、三菱東京UFJ銀として活用しない方針を強調した。
金融機能強化法による公的資金はもちろん、日銀による銀行の劣後ローン引き受けも「原資は国民の血税。(資本増強は)自力でやるのが優先順位の1番」と述べた。
世界的に進んでいる銀行規制の強化策の中に、コアTier1(中核的自己資本)の観点が浮上していることについて「コアTier1だけの議論を一方的に規制の柱にするのはいかがなものか」と述べた。邦銀は一般的にコアTier1が脆弱(ぜいじゃく)との指摘があり、こうした議論をけん制した格好となった。
邦銀の株式保有リスクについては「2009年3月期決算で大変大きな影響を受けた」として、保有リスクが高いことを認めたうえで「政策保有株を減らしていく方向で努力しないといけない」と述べた。その際には、政府の銀行等保有株式取得機構や日銀の株式買い取り制度を活用する考えを示した。
<米国金融機関、安定にはまだ時間>
米国の金融機関は1―3月期業績が好調だったが、永易会長は「(米国金融の安定化は)まだまだ。金利低下で債券関係の市場環境がよくなって利益が出た。クレジットコストは下がったどころか増えている」と分析。「不良債権が銀行の簿外に出ていかないと本格的に回復した状況にならない」とし、不良資産買い取りスキームが早期に機能することが必要との見解を示した。
(ロイター日本語ニュース 布施太郎記者)
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