WRAPUP1: 1─5月の中国都市部固定資産投資が増加、輸出は7カ月連続で減少

2009年 06月 11日 18:27 JST
 
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 *中国の都市部固定資産投資、5月は前年比40%増加

 *不動産セクターが回復局面入り、政府の景気刺激策を後押し

 *強い固定資産投資統計、弱い貿易統計を相殺

 *中国経済に対する楽観的見方でアジア商品関連株が上昇

 [北京 11日 ロイター] 中国の固定資産投資が、政府の景気刺激策や不動産セク

ターの回復で5月に急増した。輸出は低迷が続いているが、これを補う形となった。

 強い固定資産投資統計は、中国経済が他国に先んじて回復軌道を進んでいることをあら

ためて示した。半面、輸出が予想以上に減少したことで、中国がコントロールできない外

的要因に引き続きぜい弱な状況も鮮明になった。

 経済成長への寄与度としては、輸出から輸入を差し引いた純輸出よりも固定資産投資の

方がはるかに大きい。このため、活発な固定資産投資が外需の弱さを補うとみられてい

る。

 中国国家統計局が11日発表した1─5月の都市部固定資産投資は、前年同期比

32.9%の増加。1─4月は30.5%増だった。

 統計局は5月単月の数字は公表していないが、エコノミストは前年比40%増と試算し

ている。インフレ率を考慮した場合、低下が数カ月続いているため、さらに大幅な増加だ

ったとみられている。

 アクション・エコノミクスのデビッド・コーエン氏は「中国経済にモメンタムが出てき

たことを示す歓迎すべき兆候であり、世界経済の見通しにとっても朗報だ」と述べた。

 アジア株式市場では、中国経済への楽観的ムードから商品関連株が3営業日続伸。米原

油先物も上昇している。

 1─5月の都市部固定資産投資について、ロイターが集計したエコノミスト予想の中央

値は前年比31.0%増。しかし、今週に入り中国金融市場では32.9%増との予想が

流れていた。

 エコノミストは、固定資産投資の強さについて、政府が昨年11月に発表した4兆元

(5850億ドル)の景気対策と、それにともなう記録的な信用の伸びが要因とみてい

る。

 市場は、この日発表された弱い貿易統計より固定資産投資に表れた回復の兆候に注目し

た。

 中国税関当局は11日、5月の輸出が前年比26.4%減少、輸入は同25.2%減少

したと発表した。輸出、輸入ともに前年割れとなったのはこれで7カ月連続。しかも減少

率が4月から拡大した。

 <構造的不均衡>

 5月の貿易黒字は133億9000万ドル。エコノミストの予想を下回った。エコノミ

ストは、輸出が23.1%減、輸入が22%減、貿易黒字は148億ドルを見込んでい

た。

 季節調整後では、5月の輸出は前月比0.2%増、輸入は同4.4%増となった。調整

後の前年比では、輸出は22.8%減、輸入は17.7%減だった。

 東方証券(上海)エコノミスト、FENG YUMING氏は「欧米経済が依然縮小しており、外

需が引き続き低迷している。従って中国の輸出が急速に回復することは難しいだろう」と

みている。

 税関当局によると、5月の輸出は季節調整後で前月比0.2%増、輸入は同4.4%増

だった。

 貿易統計については、ムーディーズ・エコノミードットコム(シドニー)のシャーマン

・チャン氏が、足元の貿易フローは、世界経済が深刻な状態にあった数カ月前に締結した

契約を反映していると指摘。

 「たとえば半年前を振り返ってみると、世界的に企業センチメントが非常に弱く、個人

消費も低迷していた。それが中国の輸出が弱かった理由だ」と述べた。

 固定資産投資の場合、統計月に経済に投入された資金を示す。このため、景気先行指数

としてより適格と言える。

 都市部固定資産投資には、道路、発電所、住宅などへの投資が含まれる。

 1─5月の不動産投資は6.8%増で、1─4月の4.9%増から伸びが大きく加速し

た。政府支援のプロジェクトへの投資は28.0%、地方政府支援のプロジェクト投資は

33.4%増加した。第一次産業への投資は79.7%増、新規プロジェクトへの投資は

96%増、鉄道への投資は110.9%増となった。

 モルガン・スタンレー(香港)のエコノミストはリポートで、不動産セクターの回復は

維持可能で、主要国のリセッションが来年以降も続いた場合も内需の実質的伸びの下支え

になる、との見方を示した。

 しかし、エコノミストの間では、政府主導の投資ブームがいつまでも続くわけはなく、

中国経済の特効薬ではない、との声も出ている。

 JPモルガン(香港)の中国株責任者、Jing Ulrich氏は「弱い外需に対し、税優遇策

以外に政府が講じる対策は乏しい」と指摘。

 「緒に就いたところの中国の景気回復を持続可能にするには、消費の堅調な伸びが維持

され、投資ブームが中国経済の構造的不均衡を深刻化させないための方策を当局が講じな

ければならない」と述べている。

 中国都市部固定資産投資(前年比%、年初来ベース)

_____________2009_______ ___________________2008_____________

5月  4月  3月  1─2月 12月 11月 10月  9月  8月  7月

32.9 30.5 28.6 26.5 26.1 26.8 27.2 27.6 27.4 27.3

 中国貿易収支 (単位:10億ドル)

   5月  4月  3月  2月  1月  12月 11月  10月

輸出    88.8 91.9 90.3 64.9 90.5 111.2 115.0 128.3

輸入   75.4 78.8 71.7 60.1 51.3 72.2 74.9 93.1

貿易収支 13.4 13.1 18.6 4.8 39.1 39.0 40.1 35.2

 増加率(前年比、%)

   5月  4月  3月  2月  1月  12月  11月  10月

輸出 -26.4 -22.6 -17.1 -25.7 -17.5 -2.8 -2.2 19.2

輸入 -25.2 -23.0 -25.1 -24.1 -43.1 -21.3 -17.9 15.6

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