[クロスマーケット]業績・金融相場とも享受する米国株、日本発の過剰流動性がサポート
<東京市場 19日>
━━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━┯
日経平均 | 国債先物3月限| 国債284回債 |ドル/円(18:16) |
━━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿
17310.44円 | 134.58円 | 1.655% | 121.16/19円 |
━━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━┿
+60.49円 | +0.48 | -0.055 | 121.28/30円 |
━━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━━━┷━━━━━━━━━┷
注:日経平均、国債先物は終値。国債現物は17時26分の値。
下段は前営業日終値比。為替は前日NYの値。
松平 陽子記者
[東京 19日 ロイター] 日銀の利上げ見送りで円キャリートレードの好環境が維
持されたことから、潤沢な過剰流動性の供給が続き、ヘッジファンドなどを通じた米国株
式市場への資金流入が続きそうだ。ファンダメンタルズ面では米国景気の底堅さを示す指
標が続き、米景気減速への過度な悲観論が後退する一方で、悪い指標が出れば利下げへの
思惑も再浮上するとみられ、米国株は当面、業績相場と金融相場を行き来しながら緩やか
な上昇を続けそうだ。米株高にけん引される形で、日本株も当面しっかりの動きが続くと
みられている。
<利上げ見送りで円キャリートレード継続、過剰流動性の米株市場流入続く>
米国株が堅調だ。18日こそ下落したが、米ダウ工業株30種.DJは史上最高値圏。ナ
スダック総合指数.IXICも12日に6年ぶりの高値を更新したばかりだ。関係者の間では
米国株の先高観が強まっている。
需給面で、日銀が18日に利上げを見送ったことで、円キャリートレードの好環境が維
持されたことが大きい。ヘッジファンドなど海外投機筋に資金が潤沢に供給されることで
、米国株式市場への資金流入が継続しそうだ。
草野グローバルフロンティア・代表取締役の草野豊己氏は「ヘッジファンドの勝ち組の
ポジションは、昨年夏場から原油売り/米債・米株買い。米国の金利据え置きを契機にド
ル資産については、米債売りから米債・米株買いに転じている。この運用に成功している
だけに余裕があり、今のポジションはそう簡単には変わらないだろう」とみている。
市場では、米景気減速への過度の悲観論が後退し、市場関係者は自信を取り戻しつつあ
る。原油価格の下落に加え、住宅にも底入れ感が広がりつつあり、18日に発表された1
2月米住宅着工件数(季節調整後、年率)は164万2000戸で、前月比プラス4.5
%と予想外の増加になった。「米国景気はパーフェクト・ランディングの道をたどりつつ
ある。年央にも製造業の在庫調整が終了、住宅の底入れを確認して年後半から再加速する
だろう」(りそな銀行・総合資金部投資運用室チーフストラテジストの下出衛氏)との声
が聞かれる。
一方、12月米消費者物価指数(CPI)は総合指数が予想を上回る0.5%の上昇。
「1─3月にも予想していた米利下げは見送られる可能性が強まってきた」(投信)と受
け止められた。ただ、利下げ観測を完全に払しょくできるほど米景気の強さに、大多数の
市場関係者が確信を持っているわけではない。
こうした状況は、米国株にとって居心地のいい環境になりそうだ。「景気の強さを示す
指標が出れば業績相場、景気の弱さを示す相場になれば金融相場の動きになり、結果的に
緩やかな景気拡大に見合う株価上昇が期待できる」(下出氏)との見方が出ている。
<米決算発表は増益率鈍化か、株価上昇の勢い弱まる可能性も>
米国では10─12月期の決算発表が本格化し、クリスマス商戦の結果を含めて足元の
好調さが確認されつつある一方、先行きの見通しが慎重なケースが目立っている。
18日の米国株下落の引き金になったのはアップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の1─3月期見通し。10
─12月期は、クリスマス商戦でデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod」の販売が好調
だったことなどから純利益は前年同期から78%増加、アナリストの予想を上回った。
しかし、1─3月期の1株利益見通しは0.54─0.56ドルと、ロイター・エステ
ィメーツによるアナリストの平均予想(1株利益0.60ドル)に届かなかった。「小売
企業などではすでに明らかになっているが、クリスマス商戦の好調を支えた一因は値下げ
。価格競争が激化しており、売上は伸びても利益が出にくくなっている」と大和総研・シ
ニアストラテジストの成瀬順也氏は分析する。
さらに「マクロ景気が減速する中で、ミクロは好調というこれまでの構図が変化をきた
しつつあり、マクロの減速が止まりつつある一方で、ミクロの増益率が落ちてきている。
株価の上昇トレンドが崩れることはないが、上昇率は鈍りそうだ。それでも3月にかけて
ダウ工業株30種で1万3000ドル程度の上値は期待できる」(成瀬氏)との見通しを
示している。
<米株のけん引で日本株も上昇トレンドの見方>
最高値水準からさらに緩やかな上昇が見込まれる米国株をにらんで「米国景気の景気敏
感株」(投信)である東京株式市場でも、上昇トレンドが続きそうだ。利上げ見送りで為
替が円安に振れていることも支援材料で「過剰流動性の確保で、市場には投機的なムード
が強まっている。為替も目先は円安のテストに向かいそうだ」(下出氏)との声が上がっ
ている。日経平均は、昨年来高値である1万7563円を意識した展開が続きそうだ。
そのうえ強まっているのが、投機ムードだ。「これまでのけん引役だった主力株に過熱
感が強まっていることもあり、物色の矛先は出遅れ感の強い新興市場など値動きの大きい
ものに向かっている」(下出氏)との見方が出ている。
ただ、海外勢の買いスタンスは強くないため、米国株ほどのパフォーマンスは期待でき
ない可能性がある。「1月半ばは例年、海外投資家の年間ストラテジーが決まって大きく
動き出す時期。しかし、今年は日本株に対する買いスタンスが弱い。売ってはいないが、
アセットアロケーションの調整の範囲での買いにとどまっている」(草野氏)との声が出
ている。
草野氏によると、米国株への投資を続けるヘッジファンド勢は現在、日本株に興味を持
っていない。方針も定まっていないため、先物でモメンタムをみながらサヤを抜く程度の
動きにとどまっている。「パフォーマンスを確保するため売買の規模が大きくなることか
ら短期的な市場への影響は大きいが、すぐに手仕舞うため長期のトレンドセッターになる
ことはない」と草野氏は予想している。
© Thomson Reuters 2009 All rights reserved.




日本
米国